デザインの作り込みの練習

こんにちは、女性デザイナーの松田です。

 

お客様の打ち合わせで、今まで作ったチラシのデザインを

いくつか例に挙げていただいて

「ハットさんの作るチラシはインパクトがあるのですが

何を大事にしてるのでしょう?」

と質問をいただきました。

 

唐突に質問されたので

一言で「楽しさを入れることですかね」とサラリとお答えしましたが

分かってもらえなかったでしょうし、答えた私もいまいち納得せず。

 

打ち合わせの後、改めてこの質問の答えを考えてみると

大事にしていることは「集客できる」ということはもちろんですが

デザイン的には「作り込む」ということだと思いました。

 

よくデザイナーの駆け出しの頃は

「作り込みが足らない」ということを言われていました。

 

この「作り込む」ということは、

「意図と目的を深く理解してデザインを作っている」

ということだと思ってます。

 

「深く理解する」ということをさらに詳しく説明すると、

クライアントの意図と販促物の目的を理解して、さらに

「販促物を見る人の目線に立って想像をする」

ことだと思っています。

 

さらに、想像をつなげる、すなわち連想をしていき

デザインのイメージを作っていくことをしています。

この連想がぶっ飛びすぎると見る人がついてこれないので、

「楽しい」方向に持っていくといことですね。

 

私にとってこのデザインのイメージを作るための「連想」術は

今から思うと演劇会社のデザイナーの頃に

100本ノックのようにやっていたのでそれが糧になっていると思います。

 

ということもあり、

デザインの作り込みの練習は演劇のチラシを作ってみるのがおすすめです。

 

そもそも演劇のチラシの構成は、

表面は芝居のイメージ的なデザイン。

裏面は、上演スケジュールやチケット料金などの詳細。

 

演劇のチラシの表面はビジネスの販促物と違い、

チラシを見て「この芝居を観たい」と思ってもらわないといけないので

インパクトやかっこよさが特に必要になってきますし、

芝居の内容を入れ込んでデザインの表現としても

ドラマチックにしないとなりません。

 

となれば、シンプルな静的なデザインというよりも

盛り盛りの力強く熱いデザインの方が似合ってきます。

だからこそ、表面の絵(イメージ)作りがすごく大事なんです。

 

まず演劇のチラシ作りは、脚本を1冊渡されます。

役者の稽古も始まってないのがほとんどで

セリフを読んでト書きを読んで、頭の中でイメージを連想し続け

チラシのデザインに落とし込んでいきます。

 

脚本があればまだマシで、脚本がない時は演出家の「こんな感じの芝居」という

言葉だけで連想してイメージを作ります。

 

それほど演劇のチラシ作りは連想が肝になってくるのです。

 

 

より連想が広がるように脚本を深く読み取り、

デザインイメージ(絵)を思い描き、表面の絵を作り上げていきます。

それはまるで粘土をこねくり回して、形を作っていくような感じ。

こねくり回していくことでデザインに自然と「力」が出てくるのです。

 

という一連のことが私にとっての「作り込み」です。

 

この「作り込み」は、

ビジネスの販促物を作る上でも同じように作っていますし、

だからこそチラシのデザインに力が出て目に止まり、

集客につながるのだと思います。

 

デザインの作り込みを文章で伝えるのは、難しいですね。

とても伝わったとは思いませんが、

ともあれデザインの作り込みの練習は演劇の脚本を読んで

チラシにすることのがおすすめです。