デザインの提案は説明をつけることvol.265

お客様のハンドメイド雑貨SHOPへ
チラシ制作の打ち合わせに行ってきました。

そのSHOPでは
日本全国のハンドメイド作家さんの雑貨を
取り扱っており、商品はピアスが2500円と
比較的お手頃。

しかし、オープンしてから2ヶ月、
売れ行きは芳しくない。
そこでチラシを配って
まずは来店する人を増やしたいとのことでした。

それにしても商品の値段はお手頃だし、
店内も明るくきれいで可愛い雰囲気なのに
売れ行きが芳しくないのは、何らかの理由があるはず。

理由を探るために店内に並んでいる商品を
じっくり見てみることにしました。

カラフルな毛糸のぼんぼりや
小さな刺繍のオーナメントがくっついた
よく分からないものを寄せ集めた
キーホルダーが2500円というのに
目が止まりました。

「高っ!」と思ってスルーしようとした
そのときに、お店の店長が

「ぼんぼりの先についているのは
イタリア製のボタンでして、
ネパール製の刺繍小物やペットボトルの蓋を
溶かしたプレートを組み合わせているんですよ。」
と聞いた途端、

よく分からないものが瞬時に
現代アート作品に見えてしまい
買ってしまいました(笑)

その他にも、店長に説明を聞くたびに
そのものがよく見えてきて
結構買ってしまったのでした…

ということで、このお店の店長には、
商品ごとに説明書きを入れたPOPを
置いた方がいいとアドバイスして帰ってきました。

いやはやそれにしても、
商品についての情報を知るだけで
これほどまでに価値観が変わるものとは…
自分でもびっくりしましたが、

デザイナーの職業に置き換えてみると、
デザインを提案するときに
そのデザインについての説明書き(コンセプト説明)の
重要性
を改めて感じました。

作ったデザインを一番よく知っているのは
デザイナーですから、
提案したデザインの「見方=見る方法」を
教えてあげなければいけません

そうしないと、好き勝手に見られて
良し悪しを判断されてしまいます

手間をかけて作った現代アートの
キーフォルダーが
「よく分からん」とスルーされる
くらいですから、
その価値は雲泥の差に評価される
可能性がありますのでね。