デザイナーはお節介がオススメvol.266

この前、馴染みのお客様から
「息子が新しく飲食店を新規オープンするので
ロゴを作って欲しい」と依頼がありました。

その息子さんの要望で
書体は某筆記体のフォントを使って、
色も指定されていて、
「こんなイメージで作ってください」
と、ほぼイメージは固まっています。

デザインはあまり考えなくていいので
良かったと思いながら、
指定されたフォントを選んで
店名を打ってみました。

パッと見はおしゃれ…
だけど、う〜ん…。

毎日デザインを作って見慣れているせいか
パソコンで打ちっぱなしの文字では、
なんか味気ない。

このまま言われた通りのものを
提案してもいいのですが、

良くないものと分かりながら提案することは、
「考えてない、手を抜いているデザインを
出している」ような、
後ろめたい気持ちになります。

さらに、信頼関係を築いている
馴染みのお客様からの注文だからこそ、
こんな気持ちで提案するのは
どこか気が引けるもの。

ということで、
紙と鉛筆を出してフリーハンドでロゴを手描きして
パソコンに取り込んで、細部を整えて
手描きテイストの案もダメ元で
提案することにしました。

数日後、なんということでしょう。
手描き案が選ばれたのでした!
(残念ながらお店がオープン前なので
ここでお出しはできませんが)

そのロゴをすごく気に入っていただいて
ショップカードやコースターはもちろん
Tシャツを作って、いろんなものに使いたい!
とのこと。

「あぁ、お節介をやって良かったと」と
思う瞬間です。

そして、結果的にロゴを使って
さまざまな販促物を発注していただきました。

言われたイメージだけを作って提案するのと
ロゴの制作料金は変わりません。
が、
おせっかいで提案した案を気に入って喜んでもらえて
さまざまな販促物を制作することになり
お客様も私たちもお互い気持ち良いお取引になりました。