先週、打ち合わせをしたお客様から
「素人ですがフリー素材を使って
自分なりにロゴを作ったので
デザインを作る際の参考までに見てください」
と、ノートパソコンに入っている
イラストレーターの画面を見せてもらいました。
厳しいことを言えばキリはありませんが
デザインの雰囲気は伝わりましたので
そこそこデザインの形を成しています。
また、別件で
飲食店をやっておられるお客様から、
次の打ち合わせの参考として
自分で作られた店頭看板やポスターの
デザインをメールで送ってこられました。
これもまた、
イラストレーター・フォトショップを
使ってデザインを作ったのだそうです。
配色も、茶色でまとめられていて
素人にありがちな、極太書体を使ったり
いろんな色を使いすぎてゴチャゴチャに
なることもなく、
画像の背景もちゃんと切り抜かれて、
文字のタブ設定も使いこなされて、
余白もパッと見、それほど違和感はありません。
それでも細かい部分で気になる箇所は
山ほどありますが、そこそこデザインの
形を成しています。
このお客様2人とも会社の経営者で、
全くデザイナーではないのですが
参考書やネットで使い方を検索して
覚えたのだそうです。
いやはや、私がMacを使って
初めてデザインを作ったときよりも
ずいぶん上手くデザインされています。
たいしたもんです。
デザイナーでない「ノンデザイナー」でも
今やこれくらいのデザインなら
独学で作れるということなんですね。
しかし、「デザイナー」の肩書きあるなら
ここまでは当たり前。
ここからがプロの仕事になってきます。
例えば、
・看板を見てお店に行きたくなる
・メニューを見て料理が食べたくなる
・ロゴがあしらわれているTシャツを欲しくなる
など
この看板やメニュー、ロゴのデザインで
「心が動くものを作れる」のが
デザイナーだと思います。
先述の飲食店のお客様が作られた
看板やポスターは、
デザインの形は成しています。
しかし、ほんとに申し訳ないのですが、
料理の写真の色は悪く、
カタログのように料理が整然と並んでいるので
シズル感がとぼしくて美味しそうに見えず
「食べたい」という気持ちが湧いてきません。
パッと見のデザインとしての形はできていても
写真の見せ方、レイアウト、色、
情報の優先順位の整理などの
全てのバランスが取れてないと
「心が動かない」ということなんですね。
これができてこその「デザイナー」なのかなと
改めて思いました。
とはいえ、ここまでソフトを使いこなして
デザインを作れていることに
一瞬ギョッとはします。
adobeが
「すべての人につくる力を」という
コンセプトを打ち出しています。
だからだと思いますが
今のイラストレーターもフォトショップは
格段に使いやすくなっていて、
そのことによって
プロのデザイナーでなくとも
誰でも想像を形にできるように
なってきているのでしょう。
このようにソフトが、
プロと素人の間を埋めていってるので
5年後、10年後は、今よりももっと
「デザインを作る」ことは
誰でもできるようになってくるのだろうと
想像します。
だからこそ先を見据えてデザイナーは
「心が動くデザインを作る」ことを
突き詰めていかなければならないと
強く思いました。