先日、懇意にしているある会社の広報の
お客様から相談を受けました。
その相談とは、
お客様の会社の社内デザイナーさんのこと。
ちょっとしたチラシなどを頼むと、
まだ作り途中の状態を見せられて
デザインの方向性が合っているかどうかの
確認をよく求められるとのことで
お困りでした。
デザイナーさんの言い分としては
もし現時点でデザインの方向性が間違っていたら、
早い段階で軌道修正をしたいから、
先に言って欲しいとのことはよく分かりますが、
広報の身としては、
軌道修正も何も、完成度40%位の
途中のものを1案だけ見せられても
完成形がどうなるか想像できないのです。
例えば、男性ぽいや女性ぽい、暗い明るい程度の
大きな方向性の違いは、言えるけども、
デザインの方向性の良し悪しになると
曖昧な返事しかできないとのことでした。
これ、どちらの気持ちもわかります。
が、でも…
デザイナーさんの配慮が欲しいところですね。
それは広報の方はデザインに関しては
素人ということを認識すること。
素人の方にいくら言葉で完成イメージを説明しても
目の前に見せられているのは作り途中のものですので、
それを見ながら完成形を想像することなんて、
できないでしょう。
そのことを踏まえて、ハットツールでは
デザイン案を提案する際は、
ほとんど90%ほど作り込んだ完成形を
提案しています。
今回は特別に提案した実例をお見せします。
下の実例は脳腫瘍の患者さんとそのご家族を
サポートするお医者さんや医療専門家たちの
団体を紹介するリーフレットになります。
Tokyo ot brain tumor network
脳腫瘍という病気は珍しいため情報が少なくて
患者さんやそのご家族は誰に相談してよいのか
分からないのだそうです。
そのため、生きていく上でのさまざまな
悩み、不安、心配、困りごとに対して
サポート、相談のできる専門家が、
周りに、たくさんいるということを
知ってもらうための内容になっています。
お客様とは、一度打ち合わせをして、
ご要望を聞いて、載せる内容を確認して、
OKをもらってから
ラフデザインに取り掛かっています。
このラフデザイン案を作り出してから
大体1週間ほどで作り込みました。
中面は、さまざまな職種を絵で紹介して欲しい
とのことだったのでイラスト案ばかりですが、
表紙に関しては
イラストを使った親しみやすく可愛らしい案と
写真を使った真面目で希望を感じられるテイストの案を
提案しています。
イラスト案と写真案のかけ離れた
振り幅の大きなデザイン案を提案することで、
方向性が間違っているということを
できるだけ防ぐ狙いなのです。
さて、ほぼ完成形の提案なので
この案の中から自然に選ばれることになり、
修正は文字修正、色変えや、
イラストの位置や大きさの調整でした。
これが完成したリーフレットです。
ちなみに第一弾として国立がんセンターで
置かれているようですよ(^^)
↓
もし、仮に提案したラフ案がダメでも
ここまで作り込んでいることで、
お客様から具体的な方向性の提案が出てきます。
一度の打ち合わせだけで、デザインを作り込むことは、
方向性が間違えている可能性もあるので、
勇気がいることですが、
その代わり振り幅の大きなデザインを複数案、
提案することで、その後の修正がぐっと減るのです。
HAT TOOL DESIGNの場合、
デザイン案を作るまでが最も時間がかかりますが、
そのおかげで、一発でデザインが決まることがほとんど。
また、お客様もデザインの初見がこの完成形なので
感動する方が多く、信頼感が増しリピートにも
つながってると思っています。
修正が多いという方は、
ぜひこのやり方を試してみてはいかがでしょう。