「デザインを全部お任せします」と言われたらvol.269

デザインの打ち合わせで
お客様から
「デザインを全部お任せします」
と言われたことはありませんか?

ある程度お話を聞いた後だったら
「あとはお任せください」と言えますが、

打ち合わせが始まって
早々に言われてしまうと
困ってしまいます。

だからと言って言葉を真に受けて
お客様の考えを聞かずに
勝手に作っていいかというと、
絶対にそうではありません。

お客様がこのような発言になった理由として
私が思うには
自分の要望など意見を伝えることが
恥ずかしかったり、自信がなかったり、
「イメージを考える」ことが苦手や分からない、
時間がなくて深く考えれてなかった、
などと推測します。

だからこそ、お客様の心の内を
聞き出す必要があります。
ここはヒアリングの腕の見せ所。

例えば、チラシを依頼されたとして
「デザインを全部お任せします」
と言われても、

チラシに載せる商品やサービス、
また、自社・自店の顧客のことを
一番よく知っているのはお客様です。

まずは、その商品やサービスの
買って欲しいターゲットは
どんな人なのか

聞いてみると良いです。

このターゲットを考えられずに
チラシを依頼するお客様は私の経験上いません。

必ず「こんな人に買って欲しい」
と答えが返ってきます。

そのターゲット層を足掛かりにして
デザインテイストの方向性を聞く

例えば、女性らしい、男性らしい、
かわいい、上品、力強い、シンプル、モダン、
ナチュラル、キュート、温かみのある、
やさしい、ゴージャス、エレガント
など。

そうやって聞いていくと、
デザインの方向性がしぼられてきます。

チラシだけではなく、ロゴの場合も
「デザインを全部お任せします」と言われたら

まずはできるだけお客様の会社やお店の
事業内容を詳しく聞きます。
あとは取引先や顧客層がBtoB、BtoCなども
聞くようにします。

ロゴの場合は、
できる限りお客様の会社のことを
深く聞き込み、そこからイメージを
膨らまします。

ざっと書きましたが
要は「全部お任せします」と言われても、
材料が何もないところから自分の発想だけで
ロゴデザインは作れませんので、

イメージの材料となるような
言葉が出るまで「食らいついて質問する」
ということです。

事前にイメージに近いデザインを用意してもらう
などの手もありますが、
お客様はデザインのプロではないので
用意したデザインと打ち合わせで話すイメージが
違うこともよくあります。

さらに、その用意したデザインに引きずられて
違う発想や、それ以上の発想が出にくくなるため、
私の場合は特にイメージを用意していただくような
ことはありません。

やはり、「食らいついて」生の声を聞くということが
デザインを作る上では大事なのだと思います。