デザイナーは「おせっかい業」 〜その106〜
デザイナーの業務範囲を知りたいのですが。
先日、『商業界』という商売の専門誌のコラムに「小売業」と「流通業」について、下記のようなことが書かれていました。
以下引用します。
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メーカーから送られてくる大量の物財をいかに効率的に“流して通す”ことばかりに商いの力点が置かれるようになり、一人ひとりのお客様の気持ちに寄り添い“小さく売る”ことを忘れてしまったんだよ。
商人の仕事は、お客さんの豊かな未来づくりの“お手伝い業”。そして、お客さんも気づいていない少し先にある良き未来をお見せする“おせっかい業”。
お客さんが欲しいものを販売するだけでは“流通業”に過ぎない。
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このコラムを読んで、デザイナーという職業にも重なる部分もあると思いました。
というのも、デザイナーは、“デザインを作る”ということが主たる業務ですが、客観的視点を持つことが大事だと思っています。
例えばクライアントは、ご自身の商品やサービスのことはよく分かっており、専門家である一方、宣伝のことは慣れてないという場合も多いかと思います。
そのような方がチラシを作った場合、チラシを見る側の視点が抜け落ちてしまっていることがよくあります。
それは、自分の趣味趣向で考えたり、見る人はこれくらい分かっているという安易な経験則であったり。
クライアント自身が気づいていないからこそ、そういう箇所を指摘したり、頼まれてもいないのにキャッチコピーを考えたり、長年の経験で良いと思ったことをすすめることでクライアントの良き未来をお見せするのです。
時にはコンサルタントのようなことをして作業範囲が広がってしまったり、嫌われることもありますが、その「おせっかい」により、オペレーターとデザイナーの違いが出てくるのです。