読めなくてもいい文章とは 〜その119〜
文字は読めるサイズにしなければならないと思いますが。
HAT TOOL DESIGNでは、ファミリー向けの製作物が多いので、年配の方でも読みやすいように本文は8〜9ptを目安にして作成しています。
本文は読んでもらいたいので可読できるこのサイズですが、「読めなくてもいい文章」があるのです。
例えば、テレビの消費者金融のCMや薬のCMで一瞬画面に表示される注意書きがそれにあたります。
字が細かく書かれてあり、とうてい一瞬では読めません。
読めるか読めないがではなく、義務付けられているため、表示しているだけなのです。
私は以前、DVDのパッケージのデザインを作成していたことがありました。
パッケージの裏面に、「使用上の注意」や「再生環境」などを記載しなければならないのですが、表記すべき内容の文字数が非常に多いのです。
6ptでもパッケージの半分を埋めてしまうほどです。
他のDVDのパッケージを見てみると、ほとんどが4ptや3ptほどの小さな文字で表記されていました。
この類の情報は読みたい人だけが読むものであって、便宜上、載せなければならない文章なのです。
デザイナーとしては、文字サイズには大変気を使うものですが、このような暗黙の了解の文字サイズもあることを知っておくと、すこし便利です。