オブジェデザイン、どうやって作る? 〜その133(2)〜
できることとできないことがわかりません。
紙以外の素材で立体看板を制作する依頼が来たものの、一旦は二の足を踏んでしまった話を前回を紹介しました。
新しいチャレンジと思って踏み出してみましたが、あれこれ思考錯誤が続きました。
フィギュアや立体看板を作成するとなると、制作費が恐ろしく高くなることが予想されます。また、重量もかさみ、デザインも3Dに起こさなければなりません。よって、これらは却下です。
ガラスメニューケースの上に置くので、オブジェの素材は軽くて雨風と日焼けにも強くなければなりません。
それらを踏まえて、平面的なデザインで制作することに決定しました。
メニューケースの上で自立しなければならないので、素材をパネルにするか、少し厚めのアクリルにするかを業者さんに問い合わせをしました。
発泡パネルは風雨、日焼けに弱く、合板アルミパネルは切り抜くことができず、アクリルは重いのだそうです。
ふりだしに戻ったと思いきや、アクリル看板を調べていた際、「カルプ文字看板」というものを目にしました。
調べてみると、発泡スチロールのような材質で、文字に切って、立体にするとのこと。
軽くて風雨や日焼けに強く、しかも安いのです。
ちなみにW90cm、H45cm、D5cmのサイズが3万円程度で作ることができます。
「ようやく見つけた!」という気持ちです。
さらに、調べてみると、カルプ素材は立体文字の看板によく使われていますが、看板業者さん曰く、オブジェでカルプを使うのは初めてとのこと。
この素材は、実は今まで存在を知らなかっただけで、知っていればいろいろな用途に使えるはずです。
今回のように、時々、「どうやって作ろうか?」と困ってしまうご依頼がありますが、引き受けてみると新しい発見が必ずあります。
完成することで自分の制作できる範囲と知識がぐっと広がっているのが分かります。
毎回では困りますが、たまにはこのようなご依頼を引き受けるのもいいものです。