強みを考える ~その27(2)~
自分が当たり前と思っていることが強みなのでしょうか?
「親切・丁寧であること」ではなく、何が仕事の強みになるのかという話の続きです。
例えば、ハットツールデザインの場合、 打合せは必ずデザイナーである私がお客さまと直接、お話しするようにしています。
できる限り、直接お会いします。
これは、私がこれまで修行してきたデザイン業界では当たり前の ことです。
お客さまと直接話しをしないと、 繊細なニュアンスが伝わらなかったり、 お客さまが話している以外の雰囲気を感じ取ることができなかったり、さらにはお互いの意思疎通が難しいからです。
そうなってしまうと、売れる広告が作れなくなってしまいますから、直接会って打合せをするということは大切なことであり、当たり前なことなのです。
しかし、もっと視点を広げてデザイン業界全体を見てみるとデザイナーとお客さまの間に営業担当者が入っていたり、テレホンオペレーターが入るなど、直接デザイナーと会わずに仕事を進める デザイン事務所も多くあるようです。
逆に言えば、お客さまが直接デザイナーに会って打合せができるのは、ハットツールの「強み」といえるわけです。
その証拠に、ハットツールにいらっしゃるお客さまのほとんどが、
「直接、話しを聞いてもらえるので、 ハットツールさんを選びました」と言ってくださいます。
以前、美容院のお客さんにパーマの手順を聞いたことがありました。
髪にパーマ液の1液、2液をつける度に、処理を施して、その後も髪に処理を施して洗い流す。
するとパーマの持ちがだんぜん良くな、 髪と地肌も最小限のダメージで済むとのこと。
美容院の業界では、この手順が 従来当たり前だったようですが、最近、価格を下げて競い合う激安美容院が回転率を上げるため、この行程を省略しているため、 パーマの持ちも良くなく、 髪や地肌へのダメージも大きいとのこと。
激安店と比べて2,000円程度の差なら、 総合的にみてもしっかり処理をしてもらえる方に行きたいという方も少なくないでしょう。
まさに、これが「強み」になるのではないでしょうか?
どの店も仕事をする上で、お客さんを思って練られたことがいっぱいあるはずです。
それを「親切」や「丁寧」という、 ある意味、耳障りのよい言葉でくくってしまうことは 実にもったいないことです。
これといった強みが見つからないという方は仕事の行程をリストアップして、その行程の理由をひとつひとつ考えてみてはいかがでしょうか?