お客様だけでなく、社内にも影響を与える販促物

今回は、デザインの技というよりも心掛けの話です。

独学でデザインを始めた人は意外と気づかないことがあるので、デザインは誰のためのものかという話に関連して紹介しようと思います。

先日、福祉施設の案内リーフレットを作成したお客様から「スタッフの皆も自分たちの施設のイメージがデザインとして現れることで、モチベーションが上がっているようです。ありがとうございました」という嬉しいメールをいただきました。

このリーフレットはどこの高齢者施設がいいのかを迷っているご高齢の方と一緒に暮らすご家族の方をターゲットにしているのですが、配布する前にすでに、施設のスタッフのモチベーションが上がっているとは、おもしろいものです。

販促物はお客様だけでなく、社内のスタッフにも影響を与えることができるのです。

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目が覚めた師匠からの言葉
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私がデザイナーの修行時代、大きめの演劇のポスターを作っている時に、師匠から「このポスターは舞台を観るお客様に見てもらうだけではなく、演者、そしてスタッフも見る。デザインがよければ、“よし、頑張ろう”と一人ひとりがやる気も出るだろうし、“かっこいい舞台に出るんだ!作っているんだ!”という誇りも、きっと生まれるだろう。舞台を作り上げる全員のモチベーションを上げる役割をポスターのデザインが担うこと。だからこそ、絶対に手なんか抜いちゃいけないしきちんとしたものを作らなければならない」と言われました。

その頃、やる作業があまりに多く、クタクタになり、デザインを考えることにしんどさを抱えていました。

それまで、デザインは主役を引き立てる脇役のようなイメージを持っていましたが、師匠の言葉を聞いて「デザインは人を引っ張る力を持つリーダーのような存在である」
ということを教わり、背筋が伸びて、腹にぐっと力が入ったことを思い出します。

今でも師匠からの言葉は私の中に刻み込まれているのですが、何十年も経って、今回、お客様からいただいた感想が刻み込んでいる言葉通りで嬉しくなりました。

 

 

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