提案しながらデザインを作成する ~その38(1)~
ひと味違うチラシにするにはどうすればよいですか?
先日、知人から「自分がワードソフトで作成したチラシを見てほしい」と依頼されたので、アドバイスさせていただきました。
その方は、デザイナーではないので、チラシデザインのクオリティーはさておき、パッと見た第一印象は、何のチラシか分かりませんでした。
そのチラシをうろ覚えで作成しました。
もう少し内容はあったと思いますがおおよそこのようなチラシでした。
パッと見たところ、「健康と美の祭典」という文言と「キャベツの写真」が目に入ります。
「オーガニック野菜のファーマーズマーケット」の開催チラシなどと想像してしまいます。
目線を下に向けると、3名の写真があります。
「この方々は祭典でスピーチをするのかな?」「オーガニックのファーマーズマーケットで?」「メーカーの展示会?」
さまざまな想像がふくらみます。
さて、チラシを作成されたご本人に聞いてみると、会員限定の講演会とのこと。
「なぜ、キャベツ?」と思いますが、「自然」をイメージする素材がこの画像しかなかったようで、キャベツは内容にまったく関係がありません。
この写真のうち、左と中央の方は有名な会員とのことで、この方が講演を行うと、講演会の申し込みが多くなるそうです。
右のギターを持っている人は、講演後にライブを行うそうです。
この方は、会員の方に馴染みがないとのこと。
これだけの情報があるのですが、このチラシだけでは何も読み取れませんね。
今のこのチラシでは、もらった素材をただ並べただけです。
もらった情報を並べただけでは、あまり魅力を感じない祭典のチラシになってしまいます。
私の場合、クライアントさんからもらった素材だけでチラシを作成するのに充分に事足りたことは今まで一度もありません。
勝手に下記のような文言を入れこんだりします。
2年ぶりの共演かどうか、実際の年数はわかりませんがクライアントさんに提出すると、「1年ぶりです」「初めての共演です」「先週も一緒に講演してたんです」などといった話が飛び出します。
実際には、「初共演!」「恒例の共演」などの言葉に修正をします。
また、講演するテーマや概要が分かった方が参加者としては話に入っていきやすいので、クライアントさんを通じて、講演者に概要を聞いてもらいます。
もし、内容が決まらず今はわからないのであれば、この項目は削除すればいいだけなんです。
そして、ギターを抱えている右側の人に対しては、下記のように、勝手に「リラックスコンサート」とタイトルをつけました。
会場のお客さんは講演中は集中して聞いていると思いますので、講演後のコンサートで集中力を緩和させて、リラックスしてもらおうという趣旨でタイトルをつけました。
勝手にタイトルをつけてしまいましたが、講演とリラックスコンサートと分け、祭典にメリハリをつけ、盛りだくさんに見せ、緊張とリラックスというストーリーを作りました。
また、◯◯◯◯◯◯部分は、コンサートの内容に関して、後ほどクライアントさんから情報をもらってから入れこむためにスペースを空けています。
クライアントさんの方にも情報がなければ、考えてもらったり、調べてもらったりしています。
<その38 つづく>