「修正が終わらない!」 泥沼化しない提案のコツ ~その59(5)~
もはや泥沼に突入してしまったようです。どうしましょう?
「修正の泥沼化」を防ぐために、修正の回数をフェーズ1から4に分けて紹介しています。
今回はいよいよ最終段階の「フェーズ4」です。
■フェーズ4:自我を捨ててロボットになる
初稿を2案以上だし、それを3回以上修正しているのに(フェーズ1)、まだデザインが変わるような修正指示が来てしまい、さらなる修正案を3案提出しても(フェーズ2)、まだ、デザインが決まらない場合、対面で再度打ち合わせをします(フェーズ3)。
それでもまだ決まらない場合、どうすればよいのでしょう。
泥沼化しないためのコツといいつつ、 もうここまでくると、もう泥沼に入りこんでおり、精神的にも参ってきます。
心の持ち方の問題ですが、この案件に関しては、「自我を捨ててロボットになる」ことで、その分、他の案件に神経を注ぐことが良いでしょう。
実はHAT TOOL DESIGNもここまでデザインが決まらなかったことが過去に1度ありました。
眼科の開業医のお客さまで、ロゴのご依頼でした。
ご自身が考えた手書きのデザイン案を元にデザインした案と私が考えた3案の計4案を提案しました。
最初の提案で、どの案も大絶賛していただき、どのデザインにするか周囲の意見を聞いてから決めたいとのことで、お返事を待ちました。
結局デザインはご自身がデザインを提案された、目をモチーフにしたデザインに決まりました。
ベース色は黒でしたが、瞳だけを青くしたいという修正指示があり、それを反映して提出しました。
その後、知人が沖縄の海に行き、とても綺麗だったので全体をマリンブルーにして欲しいという修正指示が入ります。
この修正指示はあまりよくないデザインだとアドバイスしましたが、聞き入れてもらえませんでした。
次は、ショッキングピンクが目に留まりやすいので、修正して欲しいという指示です。
もうこの時点で、私は自我を捨ててロボットになることにしました。良いか悪いもわかりませんし、アドバイスもしません。
そして、各色バリエーション案を複数提出した中で、レインボー案が大変気に入ったとのことで無事納品することができました。
そのロゴはまるでピンクフロイドの「マグネット」というジャケットのようなのです。
ご本人が良いというのであれば良いのでしょう。
そして4年後、たまたま医院の近所を通りがかると、違うロゴの看板がかかっていました。
「やっぱり。」
お金と時間をかけて作成したものだったのに、なんともったいないことでしょう。
ちょっと寂しい気持ちになりました。
5回にわたって、修正指示とその対処を段階的にまとめましたがいかがだったでしょうか?
「フェーズ1」で紹介したように、初稿の提案でほとんどが決まります。
ここで、きちんと決めることにより後の修正が少なくなるのです。
つまりは相手の信頼度も高くなるからです。
ぜひ、「フェーズ1」で決めてくださいね。