企業の担当者に向けたデザイン ~その80(2)~
企業の場合、決裁者が誰なのかを考える必要がありますね。
たまたま手にした「OCRシステム」というテキストデータ変換システムの導入案内資料が専門用語ばかりで、いったい誰のための資料なのかという疑問が沸いたことから、案内資料のデザインについて前回に引き続き、検討します。
この資料の場合、企業の担当者が読むものです。
このシステムを導入するには、おそらく社内の稟議を通さなければなりません。
そのためには、ざっと考えてみても、企業の担当者が上司である部長にプレゼンをして納得を得、さらに部長がその上司(社長なのかもしれません)に承諾をもらうといったステップを踏むのだと思います。
よって、まずは担当者が上司にプレゼンしやすいように、資料を読むだけで部長や社長を説得できるような構成や見やすさなどに配慮をした資料を作ると、担当者に喜ばれます。
その点を考慮すると、何を資料に書かなければならないのかおのずと答えは見えてきます。
例えば、導入することで社員の作業時間が減り、そのことで残業時間が減るでしょう。労働時間を短縮した分、違う業務に充てられるのでその提案もついでに入れておきます。
そうなると、表紙のタイトルも「OCRシステム導入について」ではなくなります。
例えば、「作業時間を7割短縮!自動文字読み取りシステムの導入でさらに得られる3つのメリット(仮)」などがよいかもしれません。
このように「BtoB」の商品の場合、入り口は必ずしも決裁権がある人ではありません。
その商品はどのような経緯をたどって購入に至るのかを考えて販促物を作る必要があると思います。