デザインの中にある繰り返しの法則 〜その102(2)〜
文字の多いデザインの場合、何を繰り返しに使えばよいですか?
前回は、デザインの繰り返しについて、ホームページとパンフレットを例に紹介しました。
ページをめくっても、ヘッダーの位置や色、背景の色、見出し、小見出しなど、それぞれのデザイン要素が、繰り返されることで、「見やすさ」が生じます。
「見やすさ」=「伝わりやすさ」なのです。
今回は、チラシを例に挙げてみましょう。
学習塾が塾生の保護者向けにホームステイの案内をしているチラシです。 これは、非常に文字が多く、情報が詰まっています。
紙面全体を見ると、主に、オレンジ、赤、黄色の同系色が使われ、アクセントに青が入っています。
その中で、オレンジ色の角丸の帯と赤や青の丸がいくつか並んでいるのが、目に留まりませんか?
これがこのチラシの繰り返しなのです。
このチラシは、非常に情報量が多いので、パッと見て「見やすい」と感じてもらわなければ、まず読まれない可能性が高い。
だからこそ、これらの繰り返しを使うことで、見出しが「見出しである」と認識されたり、 1つの項目がまとまって見えてくるので、見る人に伝わりやすくなります。
その他の要素として、写真や図を使うなど工夫点もありますが、その土台となっているのは、「デザイン要素の繰り返し」です。
この繰り返しが、3回以上に使われると、全体に統一感が出てきます。
どのようなデザイン要素をどのように繰り返すかといった、紙面の決まり、つまり、法則はデザイナーが作ります。
ここがデザインを作る面白みだと私は思います。
どんなデザインにも、それぞれ繰り返しの法則が利用されているので、普段見かけるデザインの中で、気になったものをよく見てください。
そこから真似してみるのもデザインを上達するための一歩です。