見えなくなっていることを突く役割

デザイナーだからこそできるアドバイスって何ですか?

先日、女性専用の出張整体の開業に合わせて、ポスティング用のチラシを作成したいという女性整体師と打ち合わせをしました。

 

打ち合わせでは、ご本人の笑顔の顔写真は当然のこと、チラシの随所に人が写っている写真を散りばめたいと私から要望を出し、撮ってきていただくことにしました。

 

整体師は「そんなに写真が必要ですか?」とのことでしたが、よく考えると「出張整体」とはつまり、お客様のご自宅に出向いて整体を施す訳です。

 

お客様の自宅に入るということは、とてもプライベートな空間に入ることです。

 

とてもじゃないですが、見知らぬ人を自宅に入れることには抵抗があります。

 

まずは、ここが一つのハードルだと思います。

 

そして二つめのハードルが、女性同士でも知らない人に体を触らせるのは抵抗がある人が多いということです。

 

だからこそ、チラシに載っている整体師は実在していること、出張整体が実在しているサービスであることをまずは信じてもらうために、そして、安心してもらうために、整体師の顔と名前を出す必要があるのです。

 

また、「しっかり体に向き合った施術!」と書かれていても、どんな施術なのかわかりませんし、いかにもな宣伝文句と捉えられがちです。

 

それが本当のことならどのような施術なのか、それを裏付ける証拠写真を載せるのが一番です。

 

打ち合わせで整体師とお話をしていると、整体という職業に慣れてしまい、きっと、お客様の心のハードルの高さに気づかなくなってしまったのではないかと感じました。

 

もちろん、自分自身では気づきにくいものです。

依頼人の見えなくなっている点を突くのもデザイナーの重要な役割だと思っています。

 

bt-mailmag