撮影時、デザイナーとして大事なこと
デザイナーという立場上、撮影に立ち会うこともあると思います。
「撮影」「デザイナー」というキーワードで検索してみると、「撮影現場でのデザイナーの役割」といった内容のWEBサイトにヒットしました。その中には、お金を払えばそのノウハウを教えてくれるワークショップとかセミナーもあるようです。
私が最も大事だと思っているのは、「撮影に関わる全員がイメージを共有する」ことです。
撮影に関わるスタッフといえば、カメラマン、そのアシスタント、モデル、スタイリスト、クライアントといったところでしょうか。
これだけの人数が関わるため、一人ひとりがバラバラの方向を向いてしまうと、まとまりが悪く、撮影時間が延びてしまいます。
そうなってしまうと、思い描いている写真を撮ることは難しく、デザインにも影響してしまいます。
「何のために撮影したんだ!」ということにもなりかねません。考えただけでもゾッとします。
そうならないためにも、私は「こういうイメージで撮影したい!」というデザイナーの頭の中にあるイメージを事前に撮影に関わるすべての人に伝えることにしています。
この撮影前のイメージ共有が私はかなり大事だと思っています。
デザインのラフ案が仕上がっているのであれば、ラフ案を送り、打ち合わせを行い、イメージを共有します。
まだラフ案がなければ、イメージに合った写真をネットから探し、資料として全員に配布し、もちろん打ち合わせも行います。
イメージを共有する打ち合わせでは、クライントやカメラマンなどから質問や意見が出るので、それらを修正したり話し合うことで、おのずと事前準備や手配すべきこと、スケジュールなども決まってくるでしょう。
また、撮影可能か不可能かも相談できるので、代替案などさらに踏み込んだ擦り合わせができます。
つまり、イメージを共有することによって撮影に関わっている全員が、一致団結して撮影現場で動くことができるようになるのです。
そして、もう一点、撮影現場での責任が分散されるとも言えます。あとから「そんな話は聞いていない!」といった横槍やトラブルの発生も減ってくるでしょう。
デザイナーといえば、一人でコツコツとデザインを制作することがほとんどですが、何人かが力を合わせて、デザイナーの頭の中にあるイメージを作り上げてもらうこともあるのです。
関わる人が増えると、やることも増えて大変ですが、何人かで協力し合って一つのものを作り上げるのはとても刺激的な体験です。
撮影には積極的に関わっていきましょう。