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伝えたいことに合わせてフォントを選んでいますか? ~その2(3)~
こんにちは。女性デザイナーの松田です。
[ステップ2 応用編]伝えたいことに合わせて部分的に使い分ける
前回、ご紹介した「ステップ1 基本編」を踏まえて、
デザインの方向性に合わせて、明朝体かゴシック体の
どちらかを決めます。
さらに、「ステップ2 応用編」では、
伝えたいことによって
部分的にフォントを変えていきます。
明朝体の例を挙げると、
・心に訴えたい箇所(キャッチコピー部分)
・物語など読ませたい文章
・感情を込めて読んでほしい部分(ご挨拶やお客様の声など)
ゴシック体の例は、
・データや情報系(グラフや表、地図の部分)
・ドカーンとインパクトを出したい部分のみ(キャッチコピー部分)
・注釈など小さい文字
標準でインストールされている明朝体とゴシック体だけでも
このように伝えたいことに合わせて選んで使うと
パッと見ただけで伝わりやすく、訴求力がグッと増します。
さて、「ステップ1」と「ステップ2」を踏まえて
ブログ「その2 (1)」で紹介した
「マンション建設絶対反対!」のチラシを作成し直しました。
元のチラシとは印象がすっかり変わりました。
どうでしょうか?
伝えたいことがしっかり届きませんか?
みなさんがフォント選ぶ際には、
ぜひ「ステップ1」と「ステップ2」を参考にしてくださいませ。
伝えたいことに合わせてフォントを選んでいますか? ~その2(2)~
こんにちは。女性デザイナーの松田です。
「明朝体とゴシック体をどのように使い分けたらよいのでしょうか?」
WINDOWSパソコンなら、「MS明朝」と「MSゴシック」、
Macなら、「小塚明朝」と「小塚ゴシック」と呼ばれるフォントが
標準でインストールされています。
「明朝体」と「ゴシック体」は一般的なフォントで、
見た目通り、それぞれ違った印象があります。
当ハットツールのブログの中で、よく読んでいただいているのが
「明朝体とゴシック体の使い分け」という記事です。
今回は、この「使い分け」を2つのステップに分けて
少し詳しく紹介していきたいと思います。
[ステップ1 基本編]デザインのイメージで使い分ける
デザインをする場合、
そのデザインをどういう方向性にもっていきたいか
大枠をはじめに考えてください。
例えば
ターゲットの性別は?
年齢層は?
雰囲気は?
(真面目・楽しい・力強い・明るい・高級感・オーガニック・やさしいなど)
その方向性に合わせて、明朝体かゴシック体、
どちらかのフォントを選びます。
参考までに、明朝体とゴシック体に対する
私の印象を書いてみました。
- 明朝体
《印象》
女性的、真面目、伝統的、エレガンス、高級感、
信頼、信用、落ち着きがある、穏やか、繊細、感情系
- ゴシック体
《印象》
男性的、ビジネス系、カジュアル、ポップ、
ダイナミック、力強い、情報系、理性的、機能的
単純な使い分けの一例として、
明朝体の場合であれば、
1.ターゲットが女性
2.契約書など信頼や信用性を重視される書類
3.高級感を出したい
4.縦書き
5.読み物(雑誌や本)
ゴシック体の場合なら、
1.ターゲットが男性
2.ビジネス的な内容
3.データや情報系の内容(通販カタログなど)
4.カジュアルに軽く読んでほしい
5.全体的に文字が小さい(明朝体よりもゴシック体のほうが読みやすい)
6.横書き
「ステップ1」として、
全体を通して同じフォントを使うことで
デザインに統一感を出しましょう。
<その2 つづく>
伝えたいことに合わせてフォントを選んでいますか? ~その2(1)~
こんにちは。女性デザイナーの松田です。
「チラシの文字には何種類のフォントを使ったらいいですか?」
先日、うちの近所でビラが配られていました。
重要文化財の隣に建設が予定されているマンションに対する、
「マンション建設絶対反対!」という内容でした。
敷地いっぱいにマンションが建つので
ビル風ならぬマンション風で重要文化財の塀や
庭の木が傷むという訴え。
それは確かに建設を反対するなと思いました。
ただ、なぜかこのビラには違和感があったのです。
そうなんです。
「マンション建設絶対反対!」のキャッチコピーが
「POPフォント」で書かれているのです。
確かにこの「POPフォント」は、太くて目立ちますが
なんだか、かわいらしい訴えですね。
危機感が薄く、軽い印象を受けてしまうのは
私だけでしょうか?
フォントはシチュエーションに合わせて使用しないと
説得力に欠けてしまうこともあれば、
逆に、うまく使うと、訴求力がグンと増します。
デザインに慣れない人がよくやる失敗例として
「相撲フォント」や「POPフォント」「明朝体」「ゴシック体」など
フォントの種類を多用してしまったせいで、
デザインが散漫になっている
ことがあります。
一方、デザイナーの場合は
デザインを作成する際に使うフォントの種類は
「1~2種類程度」です。
さらに言えば、
「1種類のフォント」に「文字の線が細・中・太」
が揃ったフォントを選びます。
線の太さの違いを活かして、
デザインを作成していくわけなんです。
<その2 つづく>