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数字で説得力アップ 〜その2〜
数字で言い切ることに戸惑いがあります。
前回、曖昧に表現するのではなく、具体的に数字で表す効果について紹介しました。
数字によって、解釈がひとつに定まるので、ごまかしは効きません。
先日、会員制のクリーニング店の新規オープンのチラシを作成しました。
オープン記念の特典は、会員登録した方へトートバックプレゼントでした。
チラシを見た人に、いち早く会員登録してもらいたいという狙いがあり、少しでも焦せらせるために、「いつまで」「何人に」プレゼントをするのか、具体的な数字を入れることを提案しました。
結果、「先着100名」と設定しました。
この「100」という数字を決めることで、クリーニング店のオーナーにとっても、最初に達成すべき目標となる数字が定まったのでした。
このクリーニング店のように、数字を率直に出すことができる場合はよいのですが、そうでない場合ももちろんあります。
数字にするということは、考えを具体化し、言い切ることです。
曖昧さが逃げ道だったものが、その逆を表現することでプレッシャーにつながってしまい、数字を出すことを嫌がる方がいらっしゃいます。
こればかりは、ご本人の意思なので仕方ありません。
一般的には、数字化すると説得力が増す要因として
・曖昧さがなくなるので、想像しやすい
・漢字やひらがなの文章の中で数字は目立ちやすい
などが挙げられます。
数字を出すと曖昧さがなくなり、言い切ることになるため、言葉に力強さが出るのではないかと思います。
ある意味、「覚悟」のようなものがにじみ出ているのかもしれませんね。
数字で説得力アップ 〜その1〜
曖昧な表現は避けた方がよいのでしょうか?
HAT TOOL DESIGNのホームページのTOPページには、今まで販促物を制作してきた累計数を入れています。
当初は、「数多くの販促物を作成してきたデザイン一筋20年の女性デザイナーが…」と記載していました。
しかし、コピーライターに、「数多くの販促物とは、いくつぐらい? 累計でよいので具体的に数字で表現したほうがよい」とアドバイスを受けました。
デザイナーになってからこれまで作成したデザインのバックアップを掘り出して数えて見ると、約750件でした。
私自身は、漠然と3,000件以上はあるだろうと思っていたのですが、750件という数は想定外に少ないと感じましたが、一方で自らが制作しているという信憑性のある数字だとも思いました。
考えてみると「数多く」という表現は実に曖昧で、受け手によっては100件、あるいは10,000件という数字を想像するかもしれません。
具体的な数字で表現することにより、解釈にブレがなくなり、イメージがひとつになります。
よって、説得力が増すのだと思います。
自身のホームページの表現方法の変更以降、できる限り、数字で表すことにし、お客様との打ち合わせの際にも、具体的に数字に変更していただくようにしています。
<つづく>
デザインデータのバックアップ方法 〜その3〜
データ救出の費用は高額なので、業者持ち込みは避けたいのですが。
2度にわたって、デザインデータのバックアップ方法について紹介してきましたが、そもそものきっかけとなった「ハードディスクの破損」のその後についてお伝えしておきます。
5年分(実際は7年分でした)のデータが入った外付けハードディスクが壊れてしまったので、データ救出業者にハードディスクを持ち込み、診断してもらった結果、データの救出費用が40万円と言われてしまった続きです。
40万円はさすがに高額なので諦めようとしたところ、1カ月ぐらい時間がかかっても良いなら、もう少し安くなるとのことでしたが、早い方が良いと判断し、別の業者に電話で問い合わせました。そこは、20万円で救出できると言われ、再度ハードディスクを持ち込み診断を受けました。
すると、ホッとしていたのも束の間、「重症すぎるのでうちではできない」とのことでした。
恥を忍んで、再び最初の業者さんに連絡をすると、「他でハードディスクを通電したり、開けた場合は症状が異なるので、データを救出できるかどうかわかりません。また、その場合は見積額は変わります」と言われてしまいました。
暗に、「高くなる」と言われているようなものです。
ということで、ほとほと疲れてしまいました。
とくにiPhoneアプリを作成していたときのデータが見つかり、嬉しかったです。
他にも、制作途中のものが残っていました。また、ページ数の多いパンフレットデータは、最終データをお客様に渡していたので、再送してもらうなど、なんとか対処できました。
それ以外のものは、再度作ることにしました。仕方ありません。
今回は、本当にいい経験になりました。
バックアップをとっているつもりでしたが、単にデータを他のハードディスクに移動したことをバックアップだと思い違いしていました。また、Macのバックアップ機能であるTimemachineもディスクからなくなったものは、同じようになくなるので、実際には中途半端なバックアップだったことを反省しました。
改めて、「バックアップとはデータが2つ以上存在するということ」だと認識しました。
そして、ハードディスクは消耗品なのです。
また、悪あがきは厳禁です。異音がハードディスクからするようなら警告だと認識すべきです。起動の度に負担がかかり、壊れていくので、すぐに新しいものに換えなければいけません。
そして、データを読み込まなくなったら、あわよくばなどと期待をして自分で触らず、データ救出業者に持ち込む方がいいです。