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和文フォントと英文フォントを組み合わせる 〜その129(1)〜
名刺のデザインのコツを教えてください。
私は名刺を作成する時に、日本語の文章は和文フォントを、英数文字は英文フォントを使用します。
名刺の場合、デザインの基本は、文字の並びとスペースです。
ロゴや写真を入れるにしても、主役は文字の並びです。
何の変哲のない、住所や電話番号などのただの文字列を少しでもおしゃれに見せるために、英数文字は英文フォントを使用しているのです。
例えば、「小塚明朝」だけで住所と電話、メールアドレスを書いたパターンと「小塚明朝」と英数文字は「caslon Pro」を組み合わせたものを比べてみてください。
小塚明朝だけのパターンと英数文字をcaslonに変えたパターンとを見比べてみると、小塚明朝だけのパターンは、悪くはないのですが、のっぺりとして退屈な感じがします。
一方、英数文字をcaslonに変えたパターンは、英数文字でアクセントがついて、動きがあるように感じるのではないでしょうか。
<その129 つづく>
チラシ裏面への誘導 〜その128〜
チラシの裏面にはどのような役割があるのでしょうか?
チラシの一般的な構成として、表面は目につくための役割があり、キャッチーな内容で概要だけを伝えることが多いものです。
一方、裏面は表面の補足や詳細な説明、また表面に書ききれなかったことを表現することも多いかと思います。
裏面を読むと、そのお店やサービスをよく知ってもらうことにつながります。
このように言葉にすると、裏面を読んでもらう重要性がわかるかと思いますが、作り手としては「裏面も読んでもらう」ように誘導することは、案外、ないがしろにしがちです。
私の場合は、裏面もしっかり見てもらうために
「詳しくは裏面へ→」
「その理由とは?裏面へ→」
「その秘密とは?裏面へ→」
などと書いて、裏面を読んでもらうように誘導しています。
ここまで読んで、「裏面へ」と入れることに違和感を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
「わざわざ書かなくても、見るだろう」「そんな子ども騙しな」「あざとい」などと思う方もいるでしょう。
しかし、表面に興味を持ったものの「裏面までは読まない」ということをよく聞きます。
裏面は、概要(表面)の奥にある「真の価値を知ってもらう」重要な役割を担っていると思います。
「裏返す」行為はたったのワンアクションですが、それが集客に影響すると思えば、載せて損はないかと思います。
また、デザイン的にもアクセントになるので、おもしろいデザインにするなど遊びを入れてもよいかもしれません。
できる限り裏面へ誘導する一言を付け加えることをオススメします。
デザインの制作途中を見せる?見せない? 〜その127(3)〜
どうしても見せて欲しいという場合はどうすればよいですか?
HAT TOOL DESIGNが制作途中のデザイン案を見せることに気が進まない理由を前回、説明しました。
しかし、誰にも見せないというわけではありません。例外もあります。
例えば、プロデューサーやディレクターなどとチームを組んで制作している時は、制作途中を見せた方がよいと思います。
理由は、途中経過を見せることでチームとしての方向性が合っているかどうかが確認でき、進捗具合を知ってもらい、同じ制作者側として情報を共有するためです。
つまり、臨機応変な対応が必要なのです。
クライアントさんにデザインの制作途中を見せるか見せないかは一見、些細なことですが、私としては、どうやって波風立てずに説明するかいつも言葉を選び、伝え方も考えます。
どうしても見せて欲しいという方ももちろんいらっしゃいます。
頑なに拒むのもよくないので、「今、制作途中なので」と前置きと念押しをして、中途半端な部分は取り払ったり、見せるためだけにある程度、デザインの体裁を整えるしかありません。
ただ、これは手間が掛かります。