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チラシのデザインは上から作るか、下から作るか 〜その124〜
デザインを作る順番には決まったやり方があるのでしょうか。
デザイナー同士で話していた時、 「チラシのデザインは、上から作りますか? 下から作りますか?」 と聞かれました。
例えば、下のような縦向きのチラシで、 掲載内容がおおよそ決まっている場合、 まずどこからデザインを作るか考えてみましょう。
私の場合は、上から下へ順番に作っていきます。
その理由は、 チラシは上から下へ読んでいくもので、上がメインのデザインになるからです。
メインとなる上部のデザインを作ってしまえば、下部のデザインのテイストはメインに合わせて作るわけなので、楽です。
ただし、デメリットとしては、 メインのデザインを産み出すのに時間がかかってしまうことです。
私のやり方は上から下への流れですが、 HAT TOOL DESIGNの相方である、うちの夫は逆に下から上へと作っています。
理由としては、 メインのデザインを産み出すのに時間がかかるため、下から上へと徐々に作るのだとか。
外枠からデザインのテイストを固めていきながら、 メインのデザインを作っていくやり方です。
外枠を固めているときに、頭の片隅でメインのデザインを考えているとのこと。
戦いに例えるなら、徐々に外堀を埋めていきながら1階を攻め、 最後に天守閣(メイン)を撃ち落とす戦法です。
また、1階を攻めていても、隙があれば天守閣を攻め落とすという感じでしょうか。
相方曰く、デメリットはないとのことです。
ただ私にとっては、この外枠から徐々にデザインを作っていくやり方は、メインのデザインが決まっていないためにずっと迷いながら外枠のデザインを作ってしまいそうです。
また、メインのデザインができたときに、再度、デザインを作り直さなければならないようにも思えて、私には合いません。
やり方は、人それぞれではないでしょうか。
自分に合ったやり方やその時の状況に適したやり方で作るのがベストなのだと思います。
”デザイン”という言葉の意味 〜その123(2)〜
言葉の意味の捉え方の違いを防ぐにはどうすればよいでしょうか?
私とお客様の間で、「デザイン」という言葉が持つ意味の捉え方が違っていた例を前回、紹介しました。
私は装飾的な意味で、見栄えを良くすることをデザインと言っています。
しかし、お客様は掲載内容をレイアウトしただけで「デザイン」が始まっていると思っていたようです。
どうりで、紙面に掲載する構成案を作っているのに、打ち合わせでは、文字を目立つようにすることや背景に色を入れることなど、見た目に関する要望ばかりが飛び出したのでした。
それ以降は、構成案を提案するときには、目につくように注意書きを入れるようにしました。
さらに言葉でも、「装飾・着色・写真、イラストを入れてデザインしていきます」とお伝えするようにしています。
以前、ブログでも、デザイン知識のない状態が想像できないという「知の呪縛」に関して書き、「注意しましょう」などと言っていましたが、まさしく私が「知の呪縛」に陥っていたのです。
誰もが知っている言葉こそ、いろいろな意味を含んでいることがあるので、些細なことでお客様と行き違いにならないように注意しなければならないと肝に命じました。
”デザイン”という言葉の意味 〜その123(1)〜
デザイナー用語で注意しなければならないのはどういう点ですか?
チラシの掲載内容を決めるための構成案を作成した時のことです。
ちなみに、「構成案」とは建築でいうところの設計図といってもいいでしょう。
私の場合、ロゴや名刺はチラシほど内容が複雑ではないので構成案は作成しません。
チラシやパンフレットの場合は、内容が重要なので、掲載する内容や順番を変更・修正しやすいように、まずは全体を白黒ベースで作成しています。
お客様とのやり取りで、この構成案の内容が固まったので、私が「デザインに進めますね」と言うと、「これはデザインでがないのですか?」と言われました。
私は一瞬、お客様の言っている意味が分からなかったのですが、すぐにハッと気付きました。
そうです。ここで私が使っている「デザイン」とは装飾的な意味のことです。
例えば、飾り枠をつけたり、タイトル見出しに色をつけたり、書体を変えて太くしたり、写真やイラストを入れたりといった装飾です。
全体的に見やすくする工夫、目に留まりやすくする工夫を加え、見栄えをよくすることをデザインと言っています。
しかし、デザイナーではないお客様は「構成案作成」という掲載内容をレイアウトした段階で、「デザイン」が始まっていると思っていたようです。
どうやら、私とお客様の間で「デザイン」という言葉の意味の捉え方が違っていたのです。
<その123 つづく>