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封筒のデザインに気を配る 〜その122(2)〜
どんな風に封筒をブランディングすればよいのでしょうか?
前回、封筒が持つ意味、ブランド価値を持たせる意味をご紹介しました。
ということで、HAT TOOL DESIGNの封筒はデザインはもちろんですが、紙にもこだわるようにしています。
無印良品の封筒のような未晒しの紙にハッとするような真っ赤なインクで大胆に大きく屋号を入れた角2封筒。
これにデザイン案や書類を入れて郵送しています。
こちらは、窓付きの長3封筒で、請求書&領収書を入れています。
封筒の色がグレーで地味なので、ショッキングピンクのインクでPOPな雰囲気をだしています。
フタ部分の帽子が波打っているところがこだわりです。
どちらも、封筒が届くと「ワクワクしてもらえる」ことをコンセプトにした封筒です。
封筒って地味なアイテムですが、ブランドという視点からみると、欠かせないアイテムの一つなのです。
封筒のデザインに気を配る 〜その122(1)〜
封筒も宣伝ツールの一つなんですね。
請求書や領収書、資料を入れてお客様宛にお送りする封筒は、実は、お客様はよく見ているのです。
私がHAT TOOL DESIGNを立ち上げてすぐ、他所のデザイン会社のWEBサイトを研究のためによく見ていたのですが、下記のようなお客様の声を発見しました。
「ロゴのデザインはとても良かったのです。しかし、ロゴのデータが入ったCD-ROMが普通の茶封筒に入っていて、がっかりしました。」
とのこと。なんときびしい意見なのだろうと、当時は思いました。
というのも、本業はデザイン制作なので、封筒のことなど気にすることでもないと思っていたからです。
しかし、ブランドという視点では、とても大事です。
ブランドとは「見え方のコントロール」であると、アートディレクターの水野学さんのブランドの本に書いてありました。
ブランドを作ろうと思うなら、その会社や商品について「目に見え、耳に聞こえ、体で感じる、すべてのもののデザインを整える」必要があるとのこと。
お客様側からすると、技術やデザインのクオリティーの違いの差は正直よく分かりません。
どれもほどほどに優れているので、だからこそ、その中で選んでもらおうと思うなら、ブランドが必要になってくるとのことです。
ブランドとは、その会社が本来持っている志など、特有の魅力のようなもの、すなわち「らしさ」なのです。
「らしさ」がはっきりと伝わるから、お客様は共感して依頼をしてくださるのです。
それでいて「らしさ」とは、河原で一つずつ石を積み上げていくようなものだそうです、
小さな石が積み上がって、一つの山を作っていく感じとのこと。
だからこそ、封筒のデザインにも気を配る必要が出てくるんですね。
<その122 つづく>
手書きをデザインに取り入れる 〜その121(2)〜
手書き文字はどのように活用すればよいのでしょうか?
味わい深い手書き文字の作り方を前回、お伝えしました。
今回は、イラストや手書き文字をデザインに組み込んだ例をいくつか紹介します。
まずは、メニューの表紙の背景にイラストを散らしました。
さらに、そのイラストに着色してスタンプカードに使用しました。
他にも、白鵬(横綱の白鵬ではありません)という書家が書いた文字(左)をショップカードにした例です。
とんかつ屋のチラシで「とんかつ」という部分だけ強調するように手書きの筆文字にして色は金にしました。
次は、筆を使った手描きの会社のロゴです。
パソコンで打った文字はきれいにまとまっていますが、手書き素材と組み合わせることによってさらに味わいが出てきます。
また、手書きは決して上手くなくてもよいと思います。
下手でもパソコンの文字と組み合わせたり、レイアウトによって、かえって下手さが趣になり、味わい深さになります。
そこが手書きのおもしろさだと思います。
いつもはパソコンの前でデザインを作っていますが、たまに紙を広げて筆に墨汁をつけて文字や絵を描いていると、仕事とはいえ、図画工作の授業のようで、いつもより創作意欲が湧き、ワクワクしてきます。
さらに事務所には墨の香りが広がり、子どもの頃に習っていた習字教室を思い出し、懐かしい気持ちになったりしました。
ときには、アナログも取り入れながら、デザイン作成を楽しんでみてくださいね。