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プロフィール掲載で見方を変化させる 〜その105(2)〜
名刺から興味を持ってもらうにはどうすればよいですか?
美容師のお客様から名刺作成の依頼を受け、配布相手を考慮してデザイン提案した前回の話の続きです。
名刺を配布するのは、セミナー出席時なので、他業種の方々も多いとのこと。
そうなると、「覚えてもらう」「印象に残る」ことが第一目的です。
私からは、箇条書きでプロフィールを掲載することを提案しました。
お客様から上がってきたプロフィールの原稿には、イタリアの美容室で働いていたこと、写真やイラストの勉強をされていたこと、「ミラノコレクション」の手伝いにも携わっていたことなどが書かれていました。
世界に目を向けておられると強く感じました。
大きなくくりとして、ご職業は「美容師」ですが、 プロフィールを載せることで美容師というジャンルを細分化したともいえます。
つまり、世界に目を向けている「美容師」やイタリア語も話せる「美容師」だということです。
日本中に49万人もいる美容師さんですが、 その中でイタリア語が話せる美容師さんはとても少ないのではないでしょうか?
オリジナリティーがぐっと出るわけです。
話は少しそれますが、人と仲良くなるには、自分を少しさらけ出す(自己開示)とよいといわれています。
名刺を配って、自分自身を覚えてもらうために、名刺にプロフィールを載せることも自己開示と同じだと思います。
相手は、自分との共通点があったり、興味があると、急に親近感が湧くのです。
つい話したくなり、仲良くなっていきます。
名刺に限らず、チラシにもパンフレットにもプロフィールを載せてみましょう。
プロフィール掲載で見方を変化させる 〜その105(1)〜
名刺から情報発信したいのですが。
先日、美容師のお客様から自分自身の活動範囲を広げたいのでお店とは違う、自分専用の名刺を作りたいという依頼をいただきました。
すでに、自身でデザインイメージがあり、サンプルを見せていただきました。
例えるならこんな感じです。
名前は、アルファベット表記で、記載内容はメールアドレスと電話番号のみ。
デザインはともかく、配る相手はどういった方々なのかと質問しました。
セミナーに出席した際に配るので、他業種の方もいらっしゃるとのこと。
セミナーに出席したり、 他業種の方と交流したいとなると、 「覚えてもらう」「印象に残る」のが 名刺の第一目的となります。
私の経験からも、ただ名刺交換をしただけでは顔すら覚えていません。
名刺を渡した後に、会話を交わさないことには印象は残りにくいと思いました。
そこで、このような提案をしました。
「名刺にはおしゃれさをアピールする名刺と自分のことをアピールする名刺がありますが、どちらにしますか? 」
「美容師さんなのでおしゃれな名刺、つまりデザイン重視の名刺がご希望かもしれません。」
「ただ、これからご自身の活動範囲を広げていくのであれば、デザイン性をアピールするのではなく、ご自身をアピールする方がよいと思います。」
「ついては裏面に今までにやってこられたご自身のプロフィールを箇条書きで載せてみませんか?」
とご提案しました。
<その105 つづく>
言い切る覚悟を決める 〜その104〜
名刺にはどんな要素を記載すればよいですか?
先日、これから起業する、ある士業のお客様(女性Aさん)と名刺の打ち合わせをしました。
Aさんのいる士業業界では、ほとんどが男性で、女性はとても珍しいとのこと。
研修中に、男性の先輩から応対がやわらかい、資料が丁寧に作成されているので見やすいと褒められたそうです。
その話を聞き、あえて「女性ならではの」や「きめ細やかな」など、自分自身を特徴づけるようなコピーを名刺に入れてはどうかと提案しました。
すると、Aさんは、「まだ駆け出しで実績があまりないので女性らしさやきめ細やかなことができるかどうかわからない。言い切っていいものかどうか」と不安なご様子。
名刺に、言い切ったコピーを入れてしまうと、その言葉に責任を持たなければいけません。
また、「できなかった時はどうしよう」「言ってたことと違うだろ!と言われたらどうしょう」など、批判や反対意見を受ける怖さもついて回ります。
しかし、それらをひっくるめて「受け止める立場を選ぶこと=覚悟を決めること」で、Aさん自身の中で1本の筋が通り、それが自分のコンセプトとなり、今後の仕事の取り組みが違ってくるのだと思うのです。
そのようなAさんの言葉は、説得力もあり、力もこもっているでしょう。
お客様はAさんに仕事を依頼したくなります。
そう考えると、「言い切る」ことはお客様への約束を宣言することでもありますが、自分への成長の約束でもあるのです。
たかが名刺ですが、単に名刺を作るのか、名刺作りを通して覚悟を決めるのかは作り手の意識の差でもあります。
せっかくなら、自分の成長も踏まえた名刺を作りませんか?
HAT TOOL DESIGNにご相談くださいませ。