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意思疎通をスムーズにするちょっとした解決策 〜その98〜
伝言ゲームになることがよくあります。
先日、1ヶ月の間に、それぞれ別のお客様から「依頼したデザイナーから思い通りのデザインが上がってこない」というご相談を立て続けに3名から受けました。
同業者として、そのような愚痴を聞くのは何とも心苦しいものです。
お客様のお話を聞く限り、お三方とも共通して言えるのは、デザイナーとの意思疎通がうまくいっていないということです。
その理由として、一つは、お客さんとデザイナーの間に営業担当者がおり、直接的なやりとりは営業担当者と行っていたことがわかりました。
これは、デザイナーにとっては、よくある打ち合わせといっても過言ではありません。
お客さんは要望を営業担当者と詰め、次に営業担当者がデザイナーに伝え、デザイナーがデザインを作成します。まるで伝言ゲームのようなものです。
この方法では、営業担当者に要望を「くみ取る力」とデザイナーにイメージを「伝える力」がなければ、見当違いなデザインが仕上がってしまい、後々、修正ばかりすることになってしまいます。
私も会社勤めのデザイナーのころは、このパターンによく陥りました。
対策としては、デザイナーがお客さんと直接やりとりをすることです。
客先に出る機会があまりないデザイナーにとっても、いい勉強になり、お客さんにとっても話がスムーズに進むのであれば、一石二鳥です。
デザイナーとうまく意思疏通ができないパターンとして、デザイナー側にお客さんの要望をくみ取る力(想像力)が足りないことも多々あります。
お客さんとの関係は、相性もありますので、私も合わないお客さんの場合だと、くみ取るのが難しくなります。
「かわいい」に要注意 〜その97(2)〜
擦り合わせで一番重要なことは何ですか?
前回、人によって「かわいい」という感覚が異なる一例を紹介しました。
「かわいい」と表現されるニュアンスは実に多くの感覚を含んでいます。
表の右側部分は、「エレガンス」「優雅」などのニュアンスが当てはまるかと思いますが、これも「かわいい」で、まとめられることもあります。
というよりも、 この表のすべてが「かわいい」として一括りされることもあるでしょう。
このことから、「かわいい」テイストをお客様から要望された場合、どう「かわいい」のかを擦り合わせることが重要です。
擦り合わせの際は、具体的にデザインや書体を確認した方が、行き違いが少なすむでしょう、
「かわいい」に要注意 〜その97(1)〜
人によって感じ方が違うときは、どう対応したらよいのでしょうか?
HAT TOOL DESIGNは、女性的なデザインテイストのご要望が多いのですが、中でも「かわいいデザインが希望です」というオーダーをよく受けます。
しかし、この「かわいい」が実にくせものなのです。
私が思う「かわいい」とお客様が思っている「かわいい」が違っていることが往々にして、あります。
過去に50代の男性のお客様から、“かわいいテイスト”のご要望があり、デザインをご提案すると「あまりかわいくない」と言われたことがありました。
再度、ご本人にデザインテイストをお伺いしてみると、POP書体やマッチ棒のようなマッチ体を使用して欲しいとのことでした。
実際のところ、このような書体は、元気よく人懐っこく見える反面、チープな感じややや古さも否めないため、私自身はデザインに使ったことがありませんでした。
しかし、この書体も言われてみれば、確かに「かわいい」の範疇に入るのかもしれません。
強いていえば、「かわいい」の中の「ファンシー」というカテゴリーに入るのではないでしょうか。
この経験から、「かわいい」という感覚は、性別や年齢、環境などによって人それぞれに異なるのだと身をもって学びました。
<その97 つづく>