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問い合わせをする見込み客の気持ちを考える 〜その96(3)〜
自分自身では、何が悪いのかよくわかりません。
前回と前々回を通じて、「見込み客」を「新規客」にできない二つの店舗の事例を紹介しました。ひとりは、電話だけで依頼を受ける訪問マッサージのAさん、もうひとりは、おしゃれなホームページを公開しているのに、そこから仕事の依頼が来ない家具デザイナーのBさんです。
このお二人に共通しているのは、「問い合わせをするお客さんの気持ちを一切考えていない」ということです。
訪問マッサージのAさんの場合、電話でのみ受け付けているのですが、そもそも初対面の人に電話をすることは、とても勇気がいることだと思うのです。
そのハードルをこえて、 電話をかけてきてくれた人に、サービスの説明を口頭で済ませてしまうわけです。
もう少し掘り下げて考えると、依頼主である介護施設のケアマネージャーは、女性が多いといいます。
男性のAさんが、少しでも無愛想であったり、暗い声で電話に出てしまうと、「ちょっと怖いな。大丈夫かな。」と不安にさせてしまう可能性もあります。
介護施設の患者さんを紹介するために、わざわざ電話で問い合わせをするわけですから、用心深くなるのも当然のことです。
ケアマネージャーさんにとって、電話で問い合わせをするのは、ハードルが高い上に、Aさんにとっても、施術中で電話に出られなかったり、声が無愛想になってしまうこともあり、両者にとって、ベストな状態ではありません。
ホームページから問い合わせができるようにすることがなによりもの解決策です。
一方、Bさんの場合、なぜ、ホームページから問い合わせをしてもらえないのでしょうか。
オーダーメイド家具は一点の価格が非常に高額です。木材から選び、一人ひとりに合わせて作成するため、当然高額になるでしょう。
とはいえ、初めて利用する店舗で、50万円の商品を購入することは、よほど信頼していなければ成立しません。
Bさんのホームページのデザインは「シンプルでおしゃれ」。
また、ご自身の写真も、遠目で撮られたものなので、正直、Bさんかどうかは分かりません。
ホームページのデザインは、おしゃれなので私は好きですが、これで見込み客から問い合わせがくるのは、大企業や有名なデザイナーなど名が知られている場合です。
この家具デザイナーのホームページには、50万円を払ってもいいなと思えるほどの情報が載っているかどうかだと思います。
シンプルでおしゃれな場合、どうしても情報量は少なくなりがちです。
ホームページから問い合わせが欲しいのであれば、情報量を増やす必要があります。
「見込み客」を「新規客」にするためには、問い合わせをしてくれる、あるいは来店してくれたお客さんの気持ちを掘り下げてみれば、その取るべき手法が見えてきますね。
しかし、長年、同じ業務を続けていると、「分からなく」なってしまうことがあります。これは当然のことだと思います。
こういったセミナーに参加してみると、第三者で、しかも異業種の方から客観的な意見をもらうことができます。とても貴重なことだと思いました。
ちなみに私が参加したセミナーはこの書籍にまとめられています。
『価値創造の思考法』小坂裕司著・東洋経済新報社刊
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4492557229/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4492557229&linkCode=as2&tag=hattool-22&linkId=3e8fb31643514f8c33d9385ca155f54c
参考にしてみてください。
問い合わせをする見込み客の気持ちを考える 〜その96(2)〜
おしゃれなホームページで宣伝しているのに、お客さんから依頼が来ません。
自店に興味のあるお客さんには「見込み客」「新規客(1回目の買い物をした人)」「リピーター(2回以上リピートして買い物をする人」「絆客」があることを前回紹介しました。
「見込み客」を「新規客」にすることができないパターンのうち、一つの例を紹介しましたが、今回はその続きです。
Bさんはオーダーメイド家具のデザイナーで、本棚や食器棚をその人の要望に応じて最初から設計します。
自身のショールームで、お客さんと打ち合わせをします。イメージが膨らみ、スムーズにお話しができるようです。
ただ、、気になるのは食器棚が50万円もするのです。
Bさんの場合、ホームページを通じて、お客さんを集客したいとのこと。
ホームページは、無駄なものをそぎ落とし、おしゃれな家具の写真を大きく載せた、実にデザイナーらしいシンプルで洗練されたデザインです。
ご自身のお顔写真も遠目なものですが、載っています。
しかし、残念ながら、このホームページから見積もりの依頼が一度も来たことがないとのことです。
<その96 つづく>
問い合わせをする見込み客の気持ちを考える 〜その96(1)〜
自店に興味があるお客さんもひと括りではないのですね。
先日、とあるセミナーに参加しました。その内容は、「見込み客」から「絆客」にするまでの自社の取り組みを表面化していくというもの。
・見込み客
・新規客(1回目の買い物をした人)
・リピーター(2回以上リピートして買い物をする人)
・絆客
それぞれぞれのお客さんにどんな取り組みをしているのか、付箋にその内容を書いて表に貼っていきました。
HAT TOOL DESIGNの場合、まんべんなく取り組んでいると思い込んでいましたが、実際、表にして洗い出してみると、手薄な部分に気付くものです。
セミナーで同グループだった方に、アドバイスをもらい、幸いにも最善策を見つけることができました。
このときのグループは4人で、そのうちの2人(AさんとBさん)は、「見込み客」を「新規客」にすることにとても苦労されていました。
まずは、Aさんの状況から紹介します。
Aさんの職業は訪問マッサージ。訪問マッサージとは、寝たきりのお年寄りや体の不自由な方のために、血行促進やを筋肉萎縮防止のためにご自宅でマッサージをするというお仕事です。
介護施設のケアマネージャー経由でAさんに依頼がきます。
ということもあり、見込み客は介護施設のケアマネージャーです。
Aさんの見込み客への取り組みは、自身の電話番号を記載したチラシを介護施設に配っているとのことで、ホームページはありません。
Aさん曰く、電話が鳴ってもマッサージの施術中で電話に出られないことも多く、また、電話口で口頭でサービスの説明をするとのこと。
その後、ケアマネージャーから連絡がないことも多々あるそうです。
<その96 つづく>