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商品のバックボーンを語る ~その81(1)~
同じモノでも違いが出るのはなぜでしょうか?
先日、果物の詰め合わせをお客様からいただきました。マスカット、ブルーベリー、ライチ、桃です。
誰が見ても、「おいしそう」と思われるでしょう。
さらに下記のような文言があるとどうでしょう?
<ライチ>
日本で売られているライチの99%は中国産。たった1%の国産ライチの中でも大玉ライチを選びました。
<ブルーベリー>
完熟時期を見分け、一粒一粒を手で収穫した埼玉県の大玉ブルーベリー。
果物のバックボーンを知ることで、この果物を見る目がグッと変わってきます。
もう一例、挙げます。
パン屋さんで人気のある惣菜パン「明太フランス」というパン。
この写真はあまり美味しそうではないのですが、そこはさておき。
九州を旅していた時、旅先のパン屋さんでこんなポップが目にとまりました。
「1日8回も焼きあがる九州のこだわり明太フランス」
このポップがついているだけで、明太フランスを見る目が少し変わりませんか?
「1日8回も焼きあがる」というポップを見たとき、よほど人気のあるパンなのだと思い、即、買いました。
実を言うと、上の写真の明太フランスは写真素材サイトのものを流用しており、1日8回焼き上げる九州のパン屋さんの明太フランスではありません。
<その81 つづく>
企業の担当者に向けたデザイン ~その80(2)~
企業の場合、決裁者が誰なのかを考える必要がありますね。
たまたま手にした「OCRシステム」というテキストデータ変換システムの導入案内資料が専門用語ばかりで、いったい誰のための資料なのかという疑問が沸いたことから、案内資料のデザインについて前回に引き続き、検討します。
この資料の場合、企業の担当者が読むものです。
このシステムを導入するには、おそらく社内の稟議を通さなければなりません。
そのためには、ざっと考えてみても、企業の担当者が上司である部長にプレゼンをして納得を得、さらに部長がその上司(社長なのかもしれません)に承諾をもらうといったステップを踏むのだと思います。
よって、まずは担当者が上司にプレゼンしやすいように、資料を読むだけで部長や社長を説得できるような構成や見やすさなどに配慮をした資料を作ると、担当者に喜ばれます。
その点を考慮すると、何を資料に書かなければならないのかおのずと答えは見えてきます。
例えば、導入することで社員の作業時間が減り、そのことで残業時間が減るでしょう。労働時間を短縮した分、違う業務に充てられるのでその提案もついでに入れておきます。
そうなると、表紙のタイトルも「OCRシステム導入について」ではなくなります。
例えば、「作業時間を7割短縮!自動文字読み取りシステムの導入でさらに得られる3つのメリット(仮)」などがよいかもしれません。
このように「BtoB」の商品の場合、入り口は必ずしも決裁権がある人ではありません。
その商品はどのような経緯をたどって購入に至るのかを考えて販促物を作る必要があると思います。
企業の担当者に向けたデザイン ~その80(1)~
誰に向けたデザインなのかが重要ですね。
先日、参加した勉強会でシステム開発の会社に勤めている方から、「OCRシステム」導入の案内資料をいただきました。
ちなみに「OCR」とは、手書きや印刷された文字をスキャナーで読み取り、テキストデータに変換するシステムのこと。
例えば、身近なところでいうと、紙の書籍を電子書籍化する場合、OCR機能のあるソフトを使ってテキストデータにします。
勉強会でいただいた資料に載っていたOCRシステムは、導入に何百万円も掛かり、おそらく行政機関や企業向けだと思われます。
読み取ったテキストデータをサーバーに蓄積して、後で簡単に検索して取り出せる仕組みを、読む気も失せるほど専門用語ばかりで説明していました。
思わず、「これを見るのはシステムに詳しい専門家ですか?」と尋ねてしまいました。
すると、先方の返事は「違います。導入したい企業の担当者がこの資料を読むのですが、OCRについてあまり知らない人がほとんどです」とのこと。
基本的に、知識があまりない人が専門用語ばかりの資料を読むと、自分に関係がないと思われてしまいます。
これまでもHAT TOOL DESIGNのメルマガには何度も書いてきましたが、小学生が読んでも分かる資料を作るという意識が必要です。
<その80 つづく>