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手書きチラシが合うもの、合わないもの ~その79(3)~
手書きチラシを適材適所で使いたいのです。
手書きチラシのほうが思いが伝わり、集客効果もあるのかどうか、新聞折り込みチラシを例に、前回に引き続き、考えてみたいと思います。
■「作成の手間」という視点
スーパーや家電量販店のような、お買い得商品がずらりと並んでるチラシは、レイアウトが細かく複雑なので、手書きだと見にくくなってしまいます。
1点や2点の商品にしぼり込んでしまえば、レイアウトが複雑にならず、より見やすくなるかと思います。
あれやこれやと盛り込んだ複雑なレイアウトの場合、手書きでは作成時間が相当かかります。
かといって、見る人に読む気を起こさせるチラシに仕上がるのかどうかは疑問です。
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いくつか手書きチラシの例を挙げてみました。
パソコンで作ったチラシより手書きチラシの方が温かみや親しみが伝わるのは確かです。
また、パソコンで作ったチラシがたくさんある中では、ひときわ目立つと思います。
そういう意味では、他と差別化ができ、効果はあると思います。
しかし、とりあえずチラシを手書きにすれば効果が出るのかというと、そうではありません。
効果的な手書きチラシを作るなら、
・商品を1点や2点にしぼりレイアウトを複雑にしない
・配布する範囲を狭くする
これらにうまくはまれば効果が出るのでしょう。
手書きチラシが合うもの、合わないもの ~その79(2)~
手書きチラシで紹介された商品は「信用」があるでしょうか?
手書きチラシのほうが思いが伝わり、集客効果もあるのかどうか、新聞折り込みチラシを例に考えてみたいと思います。
■「信用」という視点
新築マンションや建売住宅など何千万円の物件のチラシが手書きだと、受け取った側はどう思うでしょうか?
私なら、この不動産屋は大丈夫なのだろうかと「信用」できず、疑ってしまいます。
高額で、一生に一度の買い物ともいえる商品は手書きでは合いません。
例えば、墓石や宝石なども同様のことがいえるでしょう。
また、「信用」を大事にするものも手書きでは合いません。
「信用」という視点で、集客効果があると思えばセーフ、逆にないと思えばアウトとして、いくつか例を挙げてみましょう。
骨董品の高額買取などのチラシが手書きだとどういう印象を受けるか想像してみてください。
近所のよく知っている店舗であれば、ギリギリセーフかもしれませんが、知らない店だとアウトな感じがします。
また、宅配水のチラシが手書きだとどう思いますか?
私は宅配水を利用していますが、月に3,700円、年間だと44,000円も掛かります。
商品は毎日飲む「水」なので、手書きチラシとしては「信用」面でアウトな感じがします。
「信用」という意味では、近所の店や知っている馴染みの店の手書きチラシであれば、大丈夫なのかもしれません。
<その79 つづく>
手書きチラシが合うもの、合わないもの ~その79(1)~
手書きチラシの方が思いが伝わりやすいと思うのですが。
先日、ビジネスの勉強会に参加しました。参加者は、呉服屋、定食屋、居酒屋、住宅メーカー、石材店、薬局、洋服のリフォーム店など業種はさまざま。
そこで、あるメガネ店の販促事例が紹介されていました。
販促事例は、商品ポップや店頭看板、手書きチラシなどです。
なかでも「手書きチラシ」は、お客様の声をキャッチコピーに使ったり、店長の顔写真を入れたり、随所に工夫が見られましたが、これが結構な集客効果があるとのこと。
参加者はパソコンが不得意なので、手書きでチラシを作る方が多かったです。
皆さん一様に、パソコンでデザインされた綺麗なチラシよりも手書きチラシの方が思いが伝わりやすく、逆に目立って効果があるとのことでした。
また、長く手書きチラシを書き続けている経験豊富な方なので、コツを掴んでおり、効果もあるようです。
デザイナーとして少々複雑な気持ちで、参加者の話を聞いていました。
では、どんなチラシでも「手書き」の方がよいのでしょうか?
例えば、新聞の折り込みチラシのすべてが手書きだと、果たして集客の効果があるのでしょうか?
やはり、目的別に使いわける必要があり、適材適所なのだと思うのです。
では、新聞の折り込みチラシを例に次回から考えてみましょう。
<その79 つづく>