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見込み客の心理を考える ~その78(2)~
お客さまの心理を見落としがちなのかもしれません。
チラシやリーフレットを手に取るのはどういう方々なのか。そこまで踏み込んでツールを作成する事例を前回にひき続き紹介します。
今回は、腕に自信がある植木屋さん。サービス価格の500円で庭の木を剪定する宣伝チラシを作って欲しいとのこと。
しかも、そのチラシのデザインはクラブのフライヤーのように、ストリート風にグラフィカルに仕上げ、自分のプロフィールなどは一切入れずにかっこよくデザインして欲しいとのこと。
そのチラシを各家庭にポスティングしたり、それを持って飛び込み営業をおこなうとのことでした。
植木屋さんの仕事場は庭。家の敷地内というプライベートな空間です。
ストリート風のクラブのフライヤーのようなチラシを見て、しかも500円という料金で、誰がそのようなプライベートな空間の木を剪定してもらうのでしょうか?
これら植木屋さんは当初、チラシのご相談にこられたのですがあまりにも認識が甘いので、半ば説教のようになってしまいました。「目が覚めました!」といって、その植木屋さんはフライヤーを作らず帰りました。
・商品を買ってもらう
・サービスにお金を払ってもらう
・お店に来てもらう
このお客様の行動は、安心や信頼の上に成り立っているものだと思います。
宣伝する側は、日々の業務で手いっぱいで、案外、お客様の気持ちはつい見落としがちです。
リーフレットやチラシなどを作ることによって、再認識することもあるのです。
見込み客の心理を考える ~その78(1)~
誰が手に取るツールなのか考えることが重要ですね。
「文字が多いかな?」「もっと説明を減らしたら?」「写真やイラストをいっぱい使ったほうが目に留まるよ」
クライアントさんがデザイン案を検討する際に、相談がてら友人や知り合いに見せたときによく言われる言葉です。
これ、要注意です。
もっともなことを言ってるように聞こえますが、友人や知り合いがその商品やサービスのことをどれだけ理解して言っているのでしょうか?
この点をもっと考える必要があると思います。
先日、スポーツジムを紹介するリーフレットを作成しました。
そのリーフレットは、ジムの店頭に置いたり、無料見学者に渡すものです。
つまり、興味のある人がそれを手に取り、スポーツジムのことをより深く理解するためのツールです。
よく知ることで安心感が生まれ、ジムへの入会を促す作戦です。
このリーフレット案を最初、クライアントさんに見せた際、「全体的に文字の量が多く感じられるので、『よくある質問』と『トレーナーの紹介・写真』を削除。『施設案内の写真や文章』をもっと減らす」という修正の指示がきました。
ちなみにそのジムは1カ月の会費が10,800円で、年間129,600円、約13万円もかかります。
払うお客様の気持ちを考えると、これは大金です。
しかも、週に1回や2回、多い人では毎日通うこともあると思います。それはお客様の貴重な時間の一部をジムの時間に当ててもらうということなのです。
こういうことを考えると、きちんと説明をしなければならないと私は思います。
おそらく、ジムに通いたいと思っている方は安心する材料が欲しいのだと推測します。
その様なお客様の背中を押してあげるためのリーフレットなので、多少、文字が多くても読んでいただけると思います。
ちなみに、リーフレットではなく不特定多数が目にするポスティングや折り込みチラシとなると、見せ方はまったく変わってきます。
友人にご相談された、先のクライアントさんにこのことを説明をすると、ハッとされて、修正は撤回になりました。
<その78 つづく>
かっこいいデザインは細部から ~その77(2)~
写真や文字をかっこよく見せたいのですが。
全体的にバランスよく整ったデザインとは、細部の調整が鍵です。
ちょっとした調整で、最終的な仕上がりが格段に変わる4つのチェックポイントのうち、前回に続いて、残り2点を紹介します。
■チェック3:シャドー(影)は濃すぎず、大きすぎず
写真や文字にシャドーをつけることは多々あります。
シャドーをつけることでそのものが浮き出て見え、文字や写真が引き立ち、紙面に奥行きが出て、デザイン的なアクセントにもなります。
シャドーが濃すぎたり、ぼかし部分が大きすぎると、紙面が濁って汚く見えうので、注意が必要です。
シャドーが濃い
シャドーのぼかしが大きい
適度のシャドー
詳細は、下記ページも参考にしてください。
http://www.hattool.com/sagatsukubacknumber/wp/?p=100
■チェック4:表記の揺れを統一する
表記の揺れとは、例えば、「お問合せ」「お問い合わせ」「お問合わせ」などが混在していることです。
他にも、「ください。」「下さい。」や「頂きます」「いただきます」などもよく見られます。
同じ文章内に同じ語句が異なって表記されると、読み手が困惑してしまいます。
スムーズに読んでもらうために、表記を統一することが大事です。
今回、紹介した内容は、細かく重箱の隅を突つくようなことですが、逆に言えば、このような細部にまで気をつけることがデザインを作成する上で重要なのです。