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チラシの内容はストーリーで考える ~その76(2)~
「チラシ」と「ストーリー」の関連性を知りたいのですが。
チラシを作成する際に組み立てる構成案の作り方の続きです。
■その1 テーマとゴールの決定
まず行うことは、
・チラシを見た人に何を伝えたいか?(テーマ)
・見た人にどのような行動を取ってほしいか?(ゴール)
この2つを決めます。
例えば、「テーマ」とは
・美容室の夏のキャンペーンとして打ち出したいヘッドスパが10%OFF
・マッサージ店をオープン
・お客様感謝祭でイベント開催
などです。
また「ゴール」とは
・来店してほしい
・電話で申し込んでほしい
・資料請求してほしい
などです。
■ その2 テーマを細分化。外枠から核へ
掲載する「テーマ」が決まったら、「ゴール」に向けてストーリーを考えます。
そのためにも、テーマを細かく分類します。
考え方としては、下の表のように、大きな外枠(概要)から少しずつ濃い内容へ向かい、最後に核となる「ゴール」へ導くイメージです。
・「テーマ」がマッサージ店オープン
・「ゴール」が予約の電話
という場合の見本です。
まずは、
(1)「マッサージ店の新規オープン」を知ってもらう。
↓
(2)マッサージ店の特徴である「肩こり・腰痛・捻挫を一発解消」を知ってもらう。
↓
(3)その他の特徴も紹介。「3つの特徴」。
↓
(4)「料金・場所・営業時間・院長の紹介など自己紹介」 。
↓
(5)最後、「電話予約」へ導く。
<その76 つづく>
チラシの内容はストーリーで考える ~その76(1)~
内容が「まとまっている」チラシとは、どのように作成するのでしょうか?
チラシを作成する際、私は構成案を作成するのですが、依頼の中には、内容が専門的すぎて、私では作れない時があります。
その時は、お客さんに書いてもらいます。といっても、なかには、全体をうまく組み立てることができない方もいらっしゃいます。
その方の構成案の原稿を見てみると、一つひとつの内容をブツ切りにして考えているようで、全体を通して読んでみると、まとまりがなく説得力がありません。
例えば、
・パッと読んだだけでは何のチラシかわからない
・キャンペーンだけ大々的に宣伝しているが、結局どんなお店かわからない
・専門的なことばかりで、読む人が理解できない
など、見る人の気持ちを無視しているといっても過言ではありません。
では、どのような考え方をすれば、まとまりが出るのでしょうか?
答えは、「ストーリーで考える」ということです。
よくビジネス書などで、企画書を作成しプレゼンする時は「ストーリー化する」ことを薦めています。
すなわち「物語にする」ということです。
私が紹介する「ストーリー(物語)」とは、小説のような物語を作る訳ではありません。
チラシに載せるためのストーリーです。気楽に考えてみましょう。
< その76 つづく>
集客チラシとイメージチラシ ~その75(3)~
集客チラシとイメージチラシは考え方がまったく違うのですね。
チラシのデザインには、2種類の考え方があり、ひとつは集客を目的としたチラシで、もうひとつはイメージを伝えることを目的としたチラシです。
イメージ重視のチラシデザインの傾向を紹介します。
イメージ重視のチラシデザインで、すぐさま思いつくのが、映画や芝居のチラシです。
映画や芝居のストーリーをイメージ化して、雰囲気が伝わるような印象にしなければなりません。
チラシにはある程度の個性や芸術性が求められます。 作成する際は脚本を読んだり、試写会を観てイメージをふくらませ、絵作りをします。
小学生の時に、本を読んで印象的な場面を絵に描く授業を受けませんでしたか。まさに、それと同じようなものです。
その作品の個性を出すためのデザインが必要になってくるのです。
私自身、かつて、芝居や映画のチラシやポスターを集中的に作成する時期があり、その後、集客を目的としたチラシを作るようになったのですが、考え方は全然違いました。
イメージ重視のチラシと同じ感覚で作っていたのでは、全く集客できません。
「集客」についての「知識」や「テクニック」が必要になり、猛勉強しました。
残念ながら、グラフィックデザイナーのなかには、集客の知識を持ったデザイナーはまだまだ少ないと思います。
そのような現状から、ダイレクトマーケティングのコンサルタントが「デザイナーにチラシ作成を依頼すると集客できない!損する!」「手書きで十分!チラシにデザインはいらない!」 などと言われてしまうのです。
正直、デザイナーとしては、とても悔しい思いです。
集客をしっかり心得て、デザインされているチラシの方が、手書きチラシよりも綺麗で印象もよく、安心感や信頼感につながると私は思っています。
「集客の知識」は身につけると強い武器になりますので、ぜひデザインと一緒に勉強してください。