デザイナーは時にはコンサルの役割も 〜その1〜
伝えたい内容がわからないのですが。
チラシやパンフレットを作成する際、どのような内容を記載するのかをまずは考えます。
お客様ご自身で記載する内容がまとまっているのであればよいのですが、まったくまとまっておらず、ただ、「宣伝したい!」という場合、こちらも困ってしまいます。
時には、「それはあなたの会社の方針で、私のようなデザイナーが決めることではない」ということもありませんか?
また、社自体の方針など核となる部分がしっかり詰まっていないので、トライ&エラーが続き、制作が難航しそうだと感じることもあるでしょう。
これは、「デザイナーあるある」ではないでしょうか?
先日、工務店を営んでいるお客様から木造住宅を建てたい方向けのパンフレット作成依頼がありました。
一般的に、キッチンなどデザインや間取りなど、決定権は女性側が多く、住宅は女性や家族をイメージした商品です。
しかし、この工務店の依頼主は独身。
スタッフもみな独身の男性ばかりとのこと。
独身男性ばかりの会社だと、正直、「住宅=暮らし=家族」といった、子どもが成長し、年老いて夫婦で暮らすイメージは打ち出しにくいでしょう。
また、一生に一度の高額な買い物なので、将来の暮らし方を施主に丁寧にリサーチして建てるという流れを打ち出すには説得力が弱いかと思いました。
そもそも、私にとって家を建てることは、施工会社にたくさん話を聞いてもらい、「ああだ、こうだ」と話し合いながら何度も修正をして設計図面を作成するもの、家の完成まで時間がかかるものだと思っていました。
また、一般的にどの住宅メーカーをみても、そのように打ち出しています。
依頼主の工務店には正直に、「どのような売りでパンフレットを作ればよいのかよくわかりません」とお話しさせていただきました。
進行の先が見えず、透明度20%とも言える案件です。
<つづく>