差がつくデザインの技メルマガバックナンバー
今日のお話は
「裏移り(色移り)」の話です。
「裏移り」ってなんぞや?と
お思いになられている方もいるはずです。
例えば、こういうことないですか?
納品された名刺を見て
せっかくデザインも頑張って
紙も手触り感のあるいい紙にしたのに
真っ白いはずの裏面に色がついてしまっている(;;)
また、片面が白いデザイン、
もう片面は濃い色のデザインの名刺を
ケースに入れていたら
白い面に濃い色が擦れてついてしまった。
↓
上の写真のように色移りがひどいと
汚れたように見えてしますので
見栄えはガタ落ちです。
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裏移りの原因とは?
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いくつか原因があります。
まず1つめは
印刷のインクが乾いていないと
いうことがあります。
乾いていない状態で重ねると
上の印刷物の裏面の色が
下に移ってしまいます。
印刷は、刷って終わりでなく
インクを乾燥させる時間も
必要なんですね。
なので、印刷期間があまりに短いと
乾かす時間がなくなり
裏移りする原因になるんですね。
原因の2つめは
濃い色のベタ塗りのデザインで
色がCMYKの数値の合計が250%以上である
ということがあります。
(C=青、M=ピンク、Y=黄色、K=黒)
インクが乾きにくくなりますので
注意が必要になってきます。
原因の3つめが
緑、青系の色であるということ。
これらの色は
CMYKの数値が250%以下でも
裏移りしやすい色なので
ベタのデザインは避ける方が良いです。
先述の裏移りした名刺の場合、
C=75%、Y=5%なのですが
色が青なので裏移りしてしまったのですね。
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裏移りをできるだけ防ぐためには?
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1.薄い色のデザインにする
2.裏移りしにくい紙にする
3.濃い色の面にニス加工をする
4.裏移りが目立ちにくいデザインにする
1はインクが濃いと乾きにくいので
薄い色のデザインを心がけます。
2の紙は、光沢があってツルツルの紙ほど
乾きが早いですので
ベタ塗りの多いデザインは
コート紙、ミラーコート紙などを
オススメします。
逆に乾きが遅い紙は、
マットコート紙、上質紙など
テカリがなく手触り感がある紙になります。
3は裏移りしないようにする
ニス加工とはこんな感じです。
↓
上の名刺は、マットコート紙の
名刺にベタ塗り面を裏移り防止のため
ニス加工(青い面)をしています。
ニス加工をしたことにより光沢が出て
裏面とのギャップがおもしろい
デザインの名刺になりました。
4の裏移りが目立ちにくいデザインとは
両面同じ色にしてしまうや
濃い色のベタ塗り部分を少なくするなど
になります。
いかがでしたか?
このような裏移りは完全に防げないのですが
対策をするのは、印刷屋さんではなく
デザインする人の役目になってきます。
デザインでできるだけ防ぐことができますので
知識としてぜひ頭の中に入れておいてくださいね。