420円の価値を「食べる前」に伝えられますか?焼肉丼屋の失敗から学ぶ、メニューデザインの絶対法則

420円の価値を「食べる前」に伝えられますか?焼肉丼屋の失敗から学ぶ、メニューデザインの絶対法則

「こだわりの食材を使っているのに、注文されるのは安いものばかり」「高いメニューを出しても、良さが伝わっていない気がする」。そんな飲食店オーナー様へ。お客様が「この価格を払う価値がある!」と納得するタイミングは、実はお皿が届くずっと前に終わっていることをご存知でしょうか。

こんにちは、販促物女性デザイナーの松田です。私はデザイナーとして30年、これまで累計2,100件以上の名刺やチラシ、メニュー制作に携わってきました。

先日、ある新規オープンの焼肉丼屋さんへ伺ったときのこと。そこで、デザイナーとして「これはもったいない!」と痛感する出来事がありました。

実録:10分間悩んだ、券売機の「情報の迷路」

そのお店は入口で食券を買うシステムだったのですが、券売機を前にして、私と夫は立ち尽くしてしまいました。画面にはこう書かれていたのです。

「まず、お肉を選んでください」

  • 1. アメリカ牛丼:680円(野菜たっぷり 880円)
  • 2. オージービーフハラミ丼:780円(野菜たっぷり 980円)
  • 3. 黒毛和牛カルビ丼:1,200円(野菜たっぷり 1,400円)

さらにそこから、追加トッピングやセットメニューの選択肢が次々と現れます。一番の問題は、添えられた「写真」がどれも同じような茶色の塊に見え、肉の質感や脂のノリの違いが全く伝わってこなかったことです。

「420円も差があるけど、何が違うの?」
「ハラミとカルビ、どっちがおすすめなの?」

店員さんの説明を聞いても、システムが複雑すぎてピンときません。結局、私は一番高い「黒毛和牛丼」を頼みましたが、選ぶプロセスで脳が疲れ切ってしまい、ワクワク感はすでにゼロ。期待していた和牛の旨みも、混乱した気分のせいか「……普通かな」と感じてしまいました。これこそが、飲食店にとって最も恐ろしい「デザインによる期待感の喪失」です。

味覚の影響はわずか「5%」という現実

心理学では、人間が「美味しい」と判断する際の五感の割合は、視覚が80%を占めると言われています。味覚(味わう)はわずか5%に過ぎません。

美味しさを感じる要素デザインが果たす役割
1. シチュエーション(脳)メニューを見て「どれにしよう!」とワクワクさせる演出
2. 視覚(目)「肉の照り」「シズル感」で、一口目の味を脳に予習させる
3. 納得感(心)「この価格を払う理由」を、写真や言葉で視覚的に説明する

あの焼肉丼屋さんの失敗は、「お肉のランクの差(420円)」をデザインで視覚化できていなかったことです。例えば、和牛ならサシの美しさを強調した写真を使ったり、牧場のストーリーを一筆添えるだけで、お客様は「なるほど、だから1,200円なんだ」と納得し、美味しいバイアスがかかった状態で箸を伸ばせたはずなのです。

迷わせないことが「一番のスパイス」

メニュー作成において、デザイナーができる最高のおもてなしは、お客様を「迷わせない」ことです。ハットツールデザインでは、制作前に必ず「情報の整理」を行います。

  • 写真に強弱をつける: 全メニュー同じ大きさではなく、売りたいものを「主役」にする。
  • 視線のルートを作る: 左上から右下へ。流れるように注文が決まるレイアウトを組む。
  • 価値を言語化する: 食べる前から唾液が出るような「シズル感のある言葉」を配置する。

デザインとは、単に見栄えを整えることではありません。お店のこだわりを正しく翻訳し、お客様が安心して「これください!」と言えるまでの**心地よいガイドブック**を作ることなのです。

まとめ:メニューは「美味しさ」を届ける招待状

デザインは料理の味を直接変えることはできませんが、お客様の「心の味覚」を研ぎ澄ませることはできます。もし、今のメニューが「単なる料理のリスト」になっているなら、それはとてももったいないことかもしれません。

「価値が伝わるメニューにしたい」「お客様をもっとワクワクさせたい」というオーナー様。30年の経験を活かして、あなたの大切な一皿が最高に美味しく伝わるお手伝いをさせていただきます。

「料理の魅力、正しく伝わっていますか?」
プロの視点で、売れるメニューをご提案します。

ハットツールデザインでは、30年の実績を持つ女性デザイナーが、オーナー様のこだわりを「視覚」というスパイスで引き立てます。メニューのリニューアル、新規オープンのご相談など、まずはお気軽にお問い合わせください。