チラシやパンフレットが伝わらない原因は専門用語?「知の呪縛」を防ぐ3つの改善策

専門知識が足かせに?あなたのチラシ・パンフレットで「知の呪縛」に陥らない解決策

チラシやパンフレットが伝わらない原因の一つは、専門用語や説明のしすぎです。
作り手にとって当たり前の知識が、読み手には難しく感じられる状態を「知の呪縛」といいます。
この記事では、販促物をわかりやすくする3つの改善視点を紹介します。

こんにちは、販促物女性デザイナーの松田です。

デザイナー歴30年以上、累計実績2100件以上の経験から、販促物制作で陥りやすい「知の呪縛」についてお伝えします。読者の心をつかむチラシやパンフレット作りのヒントになれば幸いです。

あなたは、ご自身の専門分野について、どんなことでも熱く語れる素晴らしい知識をお持ちかもしれません。しかし、その豊富な知識が、かえって販促物でお客様にメッセージを「伝える」際の障壁になっていることはないでしょうか?

残念ながら、現場では「せっかく良い商品なのに、チラシが難しすぎて伝わらない」というケースをよく目にします。これは、多くの方が無意識のうちに陥ってしまう「知の呪縛」という現象が原因かもしれません。

チラシやパンフレットが伝わらない原因|知の呪縛とは

「知の呪縛」(知識の呪縛、The Curse of Knowledge)とは、ある事柄について深い知識を持つ人が、その知識を持たない人の視点に立つことが難しくなる心理現象を指します。つまり、「自分にとっては当たり前のことでも、相手にとっては全く知らないことかもしれない」という想像力が働きにくくなる状態です。

この現象は、書籍『アイデアの力』に紹介された「たたき手」と「聞き手」の実験が有名です。

  • 「たたき手」: 有名な曲を頭の中で歌いながら、そのリズムを指でテーブルをたたく。
  • 「聞き手」: 「たたき手」がたたくリズムを聞いて、何の曲か当てる。

「たたき手」は、自分の頭の中で鮮明なメロディーが流れているため、「聞き手」もそのメロディーを容易に推測できるだろうと考えます。しかし、実際に「聞き手」に聞こえるのは、単調な「トントン…」という音の羅列でしかなく、曲を特定することは非常に困難です。

この実験が示すように、知識を持っていると、知識のない状態を想像することが極めて難しくなるのです。

これをチラシやパンフレットといった販促物に置き換えて考えてみましょう。あなたは自身のサービスや商品の開発者、あるいは専門家として、その魅力や詳細を熟知しています。しかし、その豊富な知識が邪魔をして、ターゲットとなるお客様が「何を知りたいのか」「何に価値を感じるのか」という視点を見失ってしまうことが、しばしば起こり得ます。

結果として、お客様にとって必要のない専門用語や、冗長な説明ばかりが目立つ「伝わりにくい販促物」が生まれてしまうのです。

デザイナーが語る!「知の呪縛」に陥ったよくある失敗事例

デザイナーの現場でよく見かけるのは、まさにこの「知の呪縛」に陥った原稿です。

以前、ある動物から抽出された希少なオイルを配合した化粧水のパンフレット制作に携わった時のことです。開発担当者様からの原稿は、そのオイルがいかに研究に研究を重ねて作られたか、どのような成分が肌にどう作用するかといった専門的かつ詳細な説明が中心でした。その熱意は素晴らしいのですが、あまりに情報量が多く、読み解くのに時間がかかる内容だったのです。

具体的には、以下のような状態でした。

構成イメージ
要素原稿の状態お客様への影響
専門用語難解な専門用語が多用され、補足説明も長い「読むのが面倒」「自分には関係ない」と感じて離脱
情報量開発経緯や成分詳細に紙面の多くが割かれる本当に知りたい「効果」や「価格」が分かりにくい
ビジュアル写真や図解を載せるスペースが不足商品の魅力が視覚的に伝わらず、イメージがしにくい
全体印象「企業目線」の説明が中心「自分事」として捉えられず、興味を持ってもらいにくい

開発者様たちは、そのオイルの希少性や優れた保湿力・浸透力を熟知しているため、「この成分の素晴らしさを語れば、お客様はきっと理解してくれる」と信じていました。しかし、その結果、肝心な商品の「価格」や「使用シーンのイメージ写真」など、お客様が最も知りたい情報が後回しになり、紙面の片隅に追いやられてしまっていたのです。

これでは、せっかく素晴らしい品質の化粧水であっても、その魅力がお客様に届かず、購買意欲へとつながることは難しいでしょう。まさに「知の呪縛」が、商品の価値が伝わるのを阻んでいました。

伝わるチラシ・パンフレットにする3つの改善視点

では、「知の呪縛」に捕らわれず、お客様に「伝わる」販促物を作るにはどうすれば良いのでしょうか?私が長年の経験で意識しているのは、「ぐっと目線を下げて、まるで小学3年生でも理解できるチラシ・パンフレットを作る」ことです。これは、特別なデザイン知識がなくても、内容に対する意識を変えるだけで実践できることです。

お客様の心に響く販促物を作るために、次の3つの視点を意識してみましょう。

  • ターゲットの目線に徹底的に合わせる
  • 専門用語は「つまり〜」で平易な言葉に言い換える
  • 伝えるべき情報を絞り込み、「お客様のメリット」を強調する

具体的なアプローチを以下の表で比較してみましょう。

視点「知の呪縛」に囚われた販促物「伝わる」販促物(意識変革後)
ターゲット視点「自分たちはこれだけ素晴らしいものを作った」という【企業側からの説明】「お客様はどんな悩みを解決したいか」という【お客様目線の提案】
言葉遣い業界の【専門用語】や学術的な表現が多い「つまり〜ということ」と【平易な言葉】で解説、日常生活に例える
情報焦点開発技術や成分の【詳細】に終始しがち【お客様が得られるメリットや解決策】を明確に提示
成果読み手が理解できず、【行動につながりにくい】内容がすっと頭に入り、【興味を持ち、行動を起こしやすい】

デザイナーの視点:伝えたいことを絞り込むためのチェックリスト

販促物を作る際、「あれもこれも伝えたい!」という気持ちになるのは当然です。しかし、本当に大切なのは「お客様に何を覚えてほしいか」「何をしてほしいか」を明確にすることです。以下のチェックリストを参考に、情報を整理してみてください。

  • お客様の「一番の悩み」は何ですか? その悩みをどう解決できるかを明確にしましょう。
  • あなたのサービスや商品の「最も際立ったメリット」は何ですか? それを簡潔に伝えましょう。
  • お客様に「どんな未来」を提供できますか? 夢や希望を想像させる言葉を選びましょう。
  • お客様に「どんな行動」をしてほしいですか? (例: 問い合わせ、来店、購入、資料請求など) その行動への導線を分かりやすく示しましょう。
  • 専門用語を使う場合、「小学生でもわかるように」説明できますか? もし難しければ、別の言葉に置き換えるか、思い切って削除しましょう。

これらの視点を意識するだけで、お客様にとって「分かりやすく、親切で優しい印象」の販促物ができあがります。ライバルと差をつけ、お客様の信頼を勝ち取るためにも、現在のチラシやパンフレットをぜひ見直してみてください。

まとめ|伝わらない販促物は言葉と情報整理で改善できる

「知の呪縛」から抜け出し、お客様に本当に「伝わる」販促物を制作するためには、客観的な視点と、それを形にするデザインの力が必要です。

ハットツールでは、デザイナー歴30年以上の経験と知見を活かし、あなたの想いや商品・サービスの魅力を最大限に引き出し、お客様の心に響くチラシやパンフレットを制作しています。お客様の目線に立ったヒアリングから、デザイン、印刷まで一貫してお手伝いいたします。

「この内容で本当に伝わるかな?」「もっと効果的な販促物にしたい」といったお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。

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